坂元弘校長は涙ながらに、「誠に申し訳ない。学校側がきちっとしておけば、こういうことにはならなかったというふうに思っておりますので、本当に痛恨、それ以外ない。申し訳ない。そういう思いでございます」と語り、高杉良知教育長は記者会見で、「誤った記録に基づき、進路指導を行っていたことがあった」と謝罪した。
しかし、この会見の舞台裏で雄一くんの両親は学校側から悲痛な裏切りを受けていた。雄一くんの死は、“同級生の受験に影響を与えたくない”という両親の希望のもと、当初は病死と報告されていた。しかし、一転して、自殺が発表される。しかも、その日は、入試最終日の前日だった。
「教育委員会が、このままだと生徒の耳に入って噂になるかもしれない、早めに公表したほうがいいというようなことを言ったみたいです。それでも、ご両親はなんとか入試が終わるまでは、とお願いしていた。それなのに、あのような形になって、憤ってらっしゃいました。教育委員会も学校も、結局はマスコミに暴かれるのが嫌だっただけじゃないですか?」(保護者の1人)
学校の、大人の勝手な対応に怒りや苛立ちを抱えているのは子供も同じだ。むしろ、子供のほうが強い。
「のっぽ(雄一くんのニックネーム)が自殺って知ったのはネットのYahoo!ニュースで。どういうことだよ。大人は“あなたたちのために黙っていた”って言うけど、それは違う。まずはウソついてたことを謝るべきだろ。なのに、先生は学校に来ないし、卒業式すら来ない。おれらになんにも説明しないでマスコミが先って、いくら校長が泣きながら説明したって、もう信じられんわ」(小学校時代からの友人)
「先生たちは自分の言葉で説明する責任があると思うけど、その責任から逃げた。私は何があっても責任がとれる大人になりたい」(同学年の女子生徒)
※女性セブン2016年4月14日号