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養育費を払わず雲隠れの元夫 離婚前に公正証書を作って対策

 3組に1組が離婚している時代。あなたも夫に突然、離婚を切り出されるかもしれない。

「仕事をしていたならともかく、専業主婦やパート主婦だった場合、離婚がもたらす経済的ダメージはかなり大きいと覚悟して」

 そう話すのは、自身も調停離婚経験者のファイナンシャルプランナーの加藤葉子さん。

 児童扶養手当は満額支給で1人月額4万2330円。2人目は5000円、3人目以降は3000円の加算に。つまり、3人子供がいる場合、月額5万330円支給される計算に(平成28年4月末時点。8月に改正)。しかしこれは満額支給の場合で、この額を受け取れるケースは稀。

「というのも、児童扶養手当の受給額は年間所得に応じて減額されるからです。子供が1人なら所得が年間57万円以上だと減額され、年間230万円以上なら受給額は0円に。子供2人なら所得が95万円以上だと減額され、年間268万円以上なら受給額は0円になります。この所得には、養育費の8割も含まれます(所得の正確な計算はお住まいの自治体に確認を)」(加藤さん)

 さらに、夫の扶養から外れると、年金や健康保険など社会保険料も負担することに。

「このように、児童扶養手当の受給には厳しい所得制限があるので、多くの母子家庭は、満額を受給できていません。制度をきちんと確認せず、国からの手当が結構あると考えるのは要注意です」(加藤さん)

 厚生労働省が平成23年に調査した離婚母子世帯の平均年間就労収入は176万円。実際は、養育費をもらえるケースがほとんどないうえ、専業主婦から就職するのも難しいので、家計は相当厳しくなる。

 となると、養育費や財産分与、慰謝料をいかに取るかがかなり重要になってくる。その際、気をつけたいのは、離婚時の金銭交渉は、こちらの条件を決して譲らず、口約束も厳禁。決めたことは必ず公正証書にしておくことだ。

「公正証書があれば、相手からの支払いが遅れたり、約束を違えた場合に、裁判所の判決などを待たずに強制執行の手続きが取れます。公正証書の手続きは、財産分与などの金額によって変わりますが、最低でも5000円の手数料がかかります。これは将来への投資と考えて」(加藤さん)。また、調停離婚の調書でも同じく強制執行できる。

 公正証書を作らず離婚したMさん(36才)に話を聞いた。

 不倫をしていた夫から離婚を切り出され、怒りのあまり、すぐに判を押してしまったMさん。幼稚園の子供を2人抱え、家を出た。養育費は月2万円、慰謝料50万円を分割で支払うと口約束したものの、はじめの1か月だけ支払われると、その後は音信不通になってしまった。

「公正証書は離婚後も作成できますが、Mさんのように、音信不通になったり、取り合ってもらえなかったりと実際はかなり難しい。必ず、離婚前に作成しましょう」(加藤さん)
 
※女性セブン2016年5月26日号

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