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SNS依存は「牛と牛が首輪で繋がれているのと同じ」と専門家

約50万人の中高生がなっていると言われるネット依存症

 FacebookといったSNSで日々投稿される食レポ、子供の写真、旅行報告、仲間とのパーティー、仕事の宣伝など、溢れるリア充アピールや自慢大会にうんざりしてSNSを辞める人が後を絶たない。近年、「僕を見て」「私を見て」のアダルトチルドレンや愛着障害が増えているという声が心理カウンセラーなどの専門家からもあるが、自慢大会の場となっているSNSでは特にその傾向は顕著だ。

 承認欲求は人間誰もが持つが、SNSの登場によって現代人の承認欲求はますます強まっていると、明治大学教授で臨床心理士の諸富祥彦さんは語る。「自分を見て」が強い人には、甘やかされて育ってきたわがままな人と、親の愛情を受けられずに育ち、障害を抱えている人がいる。

 急増している愛着障害の特徴としては、人の反応に過敏でびくびくしている。自分の非を認められない。自信がなく、気分の浮き沈みが激しい。嘘をよくつく。尊大な態度に出たがる。人をコントロールしたがる。自分の気持ちがわからず、人がいいというものを真似する--などがあるという。

「愛着障害はSNSと相性がよく、依存症になりやすいんです。『自分』が育っていないから絶えず周りを気にして、人からの承認でかろうじて自分を支えているんです。構ってほしい人には絶好のツールですね」(諸富さん、以下「」内同)

 また、友達親子が増えて親が子供を叱らないため、自己中心的な性格に育つ子供が増えていることも大きな要因だという。

「子供に嫌われると面倒くさいから、親が子供を叱らない。ちゃんと躾るのは、手間暇かかりますから。つまり、親をコントロールしながら生きてきた子供が増えていて、だいたい思い通りになる前提で育ってきたから、他の人にも同じように振る舞うんです。現実生活では友達は少ないと思います。だからこそ、仮装空間を作れるSNSに依存するのです。

 本来、思春期に大人からガツンと叱られる体験をしないと発達課題がこなせません。昔は学校の先生に威厳がありましたが、今はクレームに怯えて生徒に言いたいことも言えない状況です。子供たちが誰からも叱られることなく育ってきたことが問題ですね」

 元来、日本人の美徳として謙虚さがあり、認めてほしい気持ちを表すことははしたないと抑制してきたところがあるが、SNSという「構って」を出せる場が増え、認めて欲しい気持ちを出し始めた人が、止まらなくなっている場合もあるという。だが、無邪気にしている幸せ自慢や自己アピール投稿によって、フォロワーから嫌われているケースは多々あるので注意が必要だ。

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