芸能

とと姉ちゃん 「江戸っ子言葉がなってない」との意見出る

『とと姉ちゃん』の視聴率は好調

 人気が高まれば高まるほどに、様々な意見が表出するものである。限られた人だけが気づく問題もある。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が大人気の朝ドラについて指摘する。

 * * *
 「『べっぴんさん』 関西弁を楽しくけいこ」という記事が目に入った。10月から放送されるNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』の収録が、神戸の異人館でスタートしたとか。

 そう、各地方独特の美しい響きをもった言葉遣いは、朝ドラの魅力の一つ。前作『あさが来た』も出演者が大阪弁を必死に習得した努力が、ドラマの中で大きな輝きを放ち、魅力となっていた。

「役者さんには大阪弁独特の『音』が狂わないように、常に大阪ことばの『音』、言葉のアクセントを意識していただいています」(方言指導をした松寺千恵美さんのコメント。NHK大阪放送局ブログサイト)

 それに対して、東京の下町・深川を舞台に放送中の『とと姉ちゃん』の言葉、どうなのだろう? 親子3代東京生まれ・江戸っ子の私の耳には、どうにも違和感ありありに響くのだけれど。いや、私だけではなさそう。

「ピエール瀧が演じる料理人の『べらんめえ風口調』があまりにもひどくって、聞いちゃいられねぇ」という嘆きが耳に入った。

 東京・神田生まれのおじさんは言う。

「とにかくあのセリフ回し、ダラダラ間延びしてて気持ち悪いったらないな。深川という場所で働く職人を描くんだとすりゃ、もうちょい言葉を練習しなくっちゃね」

●東京弁、江戸っ子像がなってない

 よく言われるように、江戸っ子言葉の特徴はさっぱりしていて、歯切れいい。その性格は、細かいことにこだわらない。意地っ張りだが根は優しくて照れ屋。人前で格好つける。いわゆる「いき・粋がり」だ。

 ピエール瀧は必死に、江戸っ子の職人を真似ているつもりかもしれない。しかし、語尾が「だあ~」「でえ~」と長く伸びてしまってキレ味がなく、一本調子の大声でがなるばかり。とても、東京下町の商人や職人の言葉には聞こえない。

 人が多くて忙しい町に住む人は、気が急く。母音が続く場合は発音を短縮する口調になる。サラッ、キパっとしたテンポがないと暮らしていけない。静岡出身のピエール瀧が生粋の東京弁をしゃべれないのは当然だろう。だとすれば、前作『あさが来た』や秋に始まる『べっぴんさん』のように、独特な言葉=東京弁にどっぷりと浸って練習するとか、方法はいろいろとあるはず。

あわせて読みたい

関連記事

トピックス

硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
隆盛する女性用ファンタジーマッサージの配信番組が企画されていたという(左はイメージ、右は東京秘密基地HPより)
グローバル動画配信サービスが「女性用ファンタジーマッサージ店」と進めていた「男性セラピストのオーディション番組」、出演した20代女性が語った“撮影現場”「有名女性タレントがマッサージを受け、男性の施術を評価して…」
NEWSポストセブン
『1億2千万人アンケート タミ様のお告げ』(TBS系)では関東特集が放送される(番組公式HPより)
《「もう“関東”に行ったのか…」の声も》バラエティの「関東特集」は番組打ち切りの“危険なサイン”? 「延命措置に過ぎない」とも言われる企画が作られる理由
NEWSポストセブン
海外SNSで大流行している“ニッキー・チャレンジ”(Instagramより)
【ピンヒールで危険な姿勢に…】海外SNSで大流行“ニッキー・チャレンジ”、生後2週間の赤ちゃんを巻き込んだインフルエンサーの動画に非難殺到
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン