外部だけではない。『笑点』の制作・放送を担う日テレ内部も同様である。
「私も含め、局内でも『円楽だろう』という声が多かった。広報担当者ですら知らされていなかったみたいです」(日テレ関係者)
念入りなことに、身内すらも欺いていたようだ。この日テレ関係者が続ける。
「後で知ったのですが、2月には、すでに昇太の司会昇格が決まっていたそうです。歌丸師匠のアドバイスをもとに日テレ側が主導して決定し、プロデューサーから、それぞれ大喜利メンバーに『笑点があと100年続くために』と説明して、同意を得たと聞いています。そして決して口外しないようにと念押ししたそうです」
ここから番組スタッフと出演者の間で始まったのが「本命・昇太」隠しだった。そのカモフラージュとして使われたのが「本命・円楽」説である。
日テレの他番組も「円楽推し」を強力にサポートした。歌丸卒業を報じた5月2日の『スッキリ!!』では歌丸と円楽がやりとりする映像ばかりが流れ、「あれっ、もう円楽が次の司会に決まったの?」とお茶の間を錯覚させる演出が続いた。
また5月7日には三遊亭好楽(69)が「(司会者は)円楽以外なら誰でもいい」とネタにした。これもマスコミを「本命・円楽」へ誘導する陽動作戦だったようにも思える。
※週刊ポスト2016年6月10日号