マイクロソフトは主力の家庭用ゲーム機『Xbox』で、高精細な4K画質や仮想現実(VR)に対応した次世代機を来年の年末商戦に向けて投入する計画を公表。その前段階として、4Kビデオの動画配信サービスなど新たな機能をつけた薄型の『Xbox・One・S』を今年8月に発売すると発表した。
ソニーも、『PlayStation(プレイステーション)4』専用で仮想現実を体験することができるヘッドセット『プレイステーションVR』を今年10月より発売することをぶち上げた。
だが、両社ともに今年勝負をかける機種は既存のハード・ソフトとの互換性も持たせた、いわば付随モデルであって、純粋な次世代機の戦いとは言い難い。前出の安田氏もこういう。
「マイクロソフトやソニーは、これまでのように5年サイクルで新型ゲーム機を出して1から販売合戦を繰り広げるというビジネスモデルからの転換を図っているようです。
既存のゲーム機をある程度売ったら互換性を持たせた廉価版や上位モデルを出して、6年後ぐらいに最初に出した機種のサポートを打ち切る──そんなiPhoneのようなやり方に変えようとしているのかもしれません。
これまではハード機の価格を下げて販売台数やスピードを落とさないようにする手も取れましたが、いまは半導体技術の低迷などで製造コストが下がりにくくなっています。現状価格のまま人気を固定化させるために、付加価値を持たせた新機能を追加していると言えます。
そう考えると、各社とも新しいマシンを引っ提げて本格的な大勝負に出るのは来年以降になりそうです」(安田氏)
手軽なスマホゲームに押されて人気も陰りがちな家庭用ゲーム機だが、大手各社の次世代機が揃えば、E3の注目度も全盛期並みに復活するかもしれない。