スポーツ

角居勝彦調教師 昔と比べ新馬戦は「早く、面白く」なった

 今年も2歳新馬戦が始まった。この時期にデビューできるのは、仕上がりも早く、調教も順調にいった馬ばかりだ。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、昔と比べて新馬戦が早く、面白くなった理由についてお届けする。

 * * *
 競走馬は生まれてから1歳の夏くらいまで、のんびり楽しく過ごします。そして1歳馬の秋頃、人を乗せることに慣れてくるといよいよ騎乗運動。順調ならば距離を延ばし、ペースも徐々に上げていきます。最近は牧場の調教施設も充実し、雪深い時期でも屋内坂路などで乗り込みがコンスタントにできます。

 この時期、私が注目するのは脚の振り方です。内側から外に振り出すタイプと、外から内へ脚を巻いてくるタイプがいる。馬体の中心上に脚を持っていくとスピードが出るので、脚はどうしても内向します。脚が内向きのタイプだとさらに内側に爪を巻き、故障につながりやすい。内から外へ脚を振り出す馬のほうが安全です。

 力強い動きやスピード豊かな走りを披露した馬には、輝く未来への期待が高まっていく一方で、いろいろ問題が出てくるのもこの時期。騎乗運動に入って競走馬としてのウイークポイントなども明らかになってきます。早いところを乗ると脚を痛がったり、他馬を気にして走ることに集中できなかったり、飼い葉食いが落ちて馬体の成長が見られなかったり。後戻りしてじっくりとウォーキングマシンやトレッドミルに専念する馬も多い。

 速い馬では2歳春頃にはトレセンに入厩、環境に慣れ、調教を重ねていきながら、まずはゲート試験を受けます。騎乗者に従ってゲート入りするか、しっかりゲートを出るかなどがチェックされます。競走能力と直接つながるものではありませんが、具体的なデビュー戦を検討するのも、これに合格してから。そして、順調なら6月から順次デビュー戦を迎えます。

関連キーワード

関連記事

トピックス

新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
財務官僚出身の積極財政派として知られる片山さつき氏(時事通信フォト)
《増税派のラスボスを外し…》積極財政を掲げる高市早苗首相が財務省へ放った「三本の矢」 財務大臣として送り込まれた片山さつき氏は“刺客”
週刊ポスト
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
NEWSポストセブン