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角居勝彦調教師 使いながらよくなっていく馬

 宝塚記念といえば、暮れの有馬記念と同様、ファン投票で出走馬を決める春のグランプリ。GIの中のGIレースだ。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、宝塚記念に出走した馬たちのなかから、デニムアンドルビーの魅力について解説する。

 * * *
 かつては、春のレースを経て余力のある馬が出てくるといった印象があり、有馬記念にくらべると今ひとつ盛り上がりに欠けたこともありました。しかし近年は、6月下旬に施行されることもあって出走馬も多彩になり、さらに夏から秋にかけての欧州遠征へのステップレース的な意味合いも強くなっています。

 今年も天皇賞(春)を勝ったキタサンブラック、連覇に挑むラブリーデイ、凱旋門賞を狙う昨年の2冠馬ドゥラメンテなどが出走を予定しており、好レースが期待されます。

 暑くてどんよりと湿気も多く、慌ただしい時期ではあるものの、阪神の2200メートルという舞台は融通が利いて使い易いところがあります。

 角居厩舎からは、毎年のように実績馬が出走、今年はラストインパクトを挑戦させる予定です。これまで勝ったことはありませんが、みないいレースをしてくれています。

 とりわけ印象深いのは昨年のデニムアンドルビーです。今年のダービー馬と同じ勝負服の勝ち馬ラブリーデイをクビ差まで追い込んだのは記憶に新しいところです。

 角居厩舎の女子学級委員のような存在で、性格も従順で頑張り屋。体質的にはそれほど頑強ではなかったのですが、使えば使うほどによくなるタイプです。

 デビューは少し遅くて3歳の2月で、初勝利は3月末の3戦目でした。それが4月末のフローラSでいきなり1番人気に推されて勝ち、オークスでも3着にはいりました。

 夏場は一息入れましたが、秋のローテーションがハードでした。

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