国内

「旧駅舎残して」原宿駅建て替え問題 地元住民の声

原宿駅の駅舎取り壊しに反対の声

 今、原宿という街が変わろうとしている。2020年の東京五輪に向けた改良工事計画により、原宿駅舎の建て替えが発表されたのだ。原宿駅は今や乗降者数が1日7万人を超え、連休中は駅構内への入場制限を行うほどににぎわう。五輪会場となる国立代々木競技場に近いことから、今以上の混雑は必至だ。このタイミングでの建て替えに「もっともだ」と声が上がる一方で、悩ましい問題が立ちはだかる。

 それは、90年以上の歴史を持つ、都内唯一の木造駅舎の存在だ。とんがり屋根の英国風駅舎は「関東の駅100選」にも選ばれており、親しみを持っている人も少なくない。終戦間際の米軍の空襲で10発の焼夷弾を被弾したが、すべてが不発だったということから“奇跡の駅舎”ともいわれる。旧駅舎保存の有無についてJR東日本に尋ねると、以下のように回答した。

「新しい駅舎は、景観に配慮した原宿駅の新たなシンボルにふさわしい駅舎として、皆様にも愛着を持ってご利用いただけるものとなることを期待しているところです。今後、旧駅舎をどうするかについては、地元の皆様や渋谷区のご意見も伺い、検討を進めて参ります」(広報部)

 旧駅舎が保存されるかどうかは未定だが、すでに駅舎取り壊しに反対の声が上がっている。ふかわりょう(41才)は、AbemaTVでこう発言した。

「地元の駅ならノスタルジーよりも利便性が勝つ。でも原宿駅は“みんなの駅”。ノスタルジーが勝つ駅だと思う。イメージしているものがあるから(旧駅舎は)残してほしい」

 駅舎がどうなるか──それは原宿という街とともにあった地元の名店にとっても一大事。約50年前から原宿駅近くに店を構える、老舗洋菓子店『コロンバン』社長の小澤俊文さんは言う。

「本当に混むんですよ。トイレも渋滞で行列ができますし、改札に入れず道路に人があふれている状態。来訪者に迷惑がかかっているのは事実なので、建て替えの必要性はわかります。でもあの駅舎が建てられた1924年は、当社の創業と同じで、運命的なものも感じているんですよ。

関連キーワード

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン