国内

生徒が多い大学はCランク 生徒しかいない大学はDランク以下

評論家の呉智英氏

「学生」と「生徒」、似ているようで違うこの二つの言葉には、どのような違いがあるのか。評論家の呉智英氏が、具体的な事例や報道を基に、世間と政治家の勘違いを指摘する。

 * * *
 教育と政治活動について6月16日付朝日新聞が興味深い記事を載せている。読者諸賢が予想する「興味深い」とちょっとちがうかもしれないけれど。三重県津市の市立三重短大の教授が安保関連法反対の有志の会を結成、連絡先を短大内の研究室にするなどの活動をした。これに対し、自民党の小林貴虎市議が市議会で教育基本法に反すると指摘。朝日記者の取材に小林市議は次のように答えている。

「市の税金で運営する短大。教員は生徒の技能を伸ばす職務に邁進すべきだ」

 その通りだと思う。未熟な生徒しかいない学校で教員が政治活動をするのはいかがなものか。学生ともなれば自主的な判断ができるからいいが、相手が生徒じゃ、やはりまずかろう。というよりも、三重短大に生徒がいることはもっとまずかろう。教育基本法違反じゃないとしても学校教育法違反になると思うし、それを見逃している津市の責任を小林市議は徹底追及すべきだろう。

 もう一つまずいことがある。

 私は経験上、生徒が多い大学はCランク、生徒しかいない大学はDランク以下、と気づいた。数年前、親しかった某大学の教授が亡くなり、葬儀に参列したことがある。祭壇の遺影の横には花輪がいくつも飾られていたが、そこに「○○大学生徒一同」の札が付けられていたのには仰天した。教授は著名人だったので、その花輪ともども葬儀風景がニュースで全国に流れた。

 大学受験情報誌で確認しなくても、○○大学は「生徒一同」が集う偏差値30台のDランク大だと知られてしまったことになる。こうした一方、東大生で「我々東大の生徒は」と話す学生を見たことはない。マンションの一室に女を連れ込み集団でワルサをする学生はいるけれど。いや、これは生徒でもやるな。

関連キーワード

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト