大規模な音楽イベントといえば「FUJI ROCK FESTIVAL」などのようにロックフェスティバルのイメージが強くあります。ところが、近年ではそれらにアイドルが出演し、アイドルだけの音楽フェスも増えています。そこでは、他ジャンルでは起こりえないようなアクシデントも起きていますが、アイドルフェスの新規開催が増えています。地下アイドルでライターの姫乃たまさんが、なぜアイドルフェスが増えるのかについてリポートします。
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今年も夏の野外音楽フェスティバルに、アイドルがロックバンドに混ざって出演します。アイドルがメインの野外音楽フェスティバルも、たいへんな盛り上がりを見せています。
アイドルフェスの中でも最大規模のTOKYO IDOL FESTIVAL(通称TIF)は、2010年の開催以降、出演者数も来場者数も右肩上がりです。昨年は154組(1140名)のアイドルが出演し、来場者は5万人を超えました。今年は200組以上のアイドルが出演する予定です。アイドルってそんなにいるのか! と、驚かれた方もいらっしゃると思いますが、TIFに出演できるアイドルは全体のほんの一握りです。ますます驚いていただけたでしょうか……。
TIFの成功を受けて、新しいアイドルフェスも開催されるようになりました。サーキットイベント(複数のライブハウスで一斉にライブが行われ、共通チケットで自由に行き来できる)のほか、野外フェスも開催されています。しかし、アイドルフェス自体、歴史が浅い文化のため、知識や経験値の少ない人間が運営することもあり、トラブルも多発しています。その点で今年もっとも話題になったのが、5月末に開催された「ガールズ・ポップ・フェスティバル in 淡路島」(通称、淡路島)でしょう。
当初は100組のアイドルが出演と発表されていたにも関わらず、開催日が迫ってもその半数ほどしか名前が発表されませんでした。さらにフェスの肝であるタイムテーブルの公表が開催日の数日前。それでも観たいととりあえず淡路島まで行った人によると、設営が終わっていなかったり、ステージ同士が近すぎて別々のアイドルがパフォーマンスする音が混ざってしまっている。等々、現地からツイッターでリアルタイムに流れてくる不安なエピソードは枚挙にいとまがありませんでした。