国内

蚊に刺されないために 効果の高い虫除けは?

蚊に刺されないためには白やパステルの服が正解(写真/アフロ)

 夏に注意が必要なのは、熱中症だけじゃない。忘れてはならないのが、蚊による感染症だ。一昨年、東京・代々木公園を中心に、70年ぶりとなるデング熱の国内感染が判明。162人の患者が出て大騒ぎになった。

「デング熱は世界で毎年約4億人が感染しています。日本でも海外に出かけていた人が感染して帰国したり、すでに感染した外国人が日本を訪れる“輸入感染”が、今年3月から7月上旬までですでに150件を超えている。この数は夏休みに入るとグンと増え、9月下旬まで続きます」(神奈川県衛生研究所所長・高崎智彦さん)

 海外でデング熱に感染してきた人が国内で蚊に刺され、ひとたび感染が広がれば、一昨年以上のパニックになる可能性もある。

 症状は39度を超える高熱や関節の激しい痛み、全身の発疹など。糖尿病や腎不全などの持病のある人は重症化しやすく、世界では死亡例も数多く報告されている。もう1つ、リオ五輪がらみで大きな話題になっているのが、ジカ熱だ。ゴルフの松山英樹選手をはじめ、有力選手がジカ熱への不安などを理由に五輪出場を辞退した。

「中南米のほか、今の時期は東南アジアでジカ熱の症例が出ています。ジカ熱は高熱はあまり出ず、37度前半程度ですが、危険なのは妊婦さん。生まれてくる子供が小頭症(頭の成長が止まる病気)になる率が普通の妊婦より50倍高まるといわれています。性交渉などでも感染するので、パートナーの男性も注意が必要です」(国立国際医療研究センター・忽那賢志医師)

 五輪の応援にブラジルに向かう人はもちろん、東南アジアや中南米、アフリカ、オセアニアなど、旅行先で感染しないよう万全の準備と用心をしておこう。

「夏休みは輸入感染が増えるうえ、デング熱やジカ熱を媒介するヒトスジシマカの活動が最も活発になる時期です。日本では人が見るヤブ蚊はほとんどがヒトスジシマカで、温暖化の影響で棲息地が岩手県、秋田県にまで広がっている。北海道と青森県を除く全国で流行する可能性があります」(高崎さん)

 では、蚊に刺されないために、私たちはどうすればいいのか。

「虫除けの裏に書かれている成分表を確認して、『ディート』か『イカリジン』のどちらかを配合しているものを選びましょう。配合の%が高いほど虫除け効果は高い。皮膚が弱い人はイカリジンのほうがおすすめです。虫除けの効果は数時間程度で、汗をかくと流れてしまうので、こまめに塗り直すことが大切。日焼け止めを塗る人は、その上からムラなく塗りましょう」(忽那さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

本格的に中国進出をめざすならば…(時事通信フォト)
《年内結婚報道》橋本環奈と中川大志の「結婚生活」に立ちはだかる“1万kmの距離” 2人の異なる“海外進出の希望先”
週刊ポスト
「池田温泉旅館 たち川」の部屋風呂に「温泉偽装疑惑」。左はHPより(現在は削除済み)、右は従業員提供
「水道水にカップ5杯の重曹を入れてグルグル…」岐阜県・池田温泉「高級旅館」の部屋風呂に“温泉偽装”疑惑 ヌルヌルと評判のお湯の真実は…“夜逃げ”オーナーは直撃に「誰からのリークなの? それ」
NEWSポストセブン
これまでジャズ歌手などとしても活動してきた参政党・さや氏(写真/共同通信社)
参政党・さや氏、歌手時代のトラブル証言 ジャズバーのママが「カチンときて縁を切っちゃいました」、さや氏は「そうした事実はない」…真っ向食い違う言い分
週刊ポスト
もうすぐ双子のママになる。Numero.jpより。
Photos:Mika Ninagawa
中川翔子3年にわたる不妊治療と2度の流産を経験 。 双子の男の子のママになる妊婦姿を披露して話題に
NEWSポストセブン
錦織圭とユニクロの関係はどうなるか(写真/共同通信社)
「ご本人からの誠意ある謝罪があった」“ユニクロ不倫”錦織圭、ファーストリテイリング広報担当が明かしたスポンサー契約継続の理由
週刊ポスト
趣里と父親である水谷豊
《女優・趣里の現在》パートナー・三山凌輝のトラブルで「活動セーブ」も…突破口となる“初の父娘共演”映画は来年公開へ
NEWSポストセブン
岐阜の「池田温泉旅館 たち川」が突然の閉鎖、事業者が夜逃げした(左は旅館のInstagramより)
【スクープ】岐阜県の名所・池田温泉の人気旅館が突然の閉鎖 町が運営委託した事業者が“夜逃げ”していた! 町長からは228万円の督促状、従業員が告発する「オーナーの計画」 給料も未払いに
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏は2017年にダブル不倫が報じられた(時事通信フォト)
参院選落選・山尾志桜里氏が明かした“国民民主党への本音”と“国政復帰への強い意欲”「組織としての統治不全は相当深刻だが…」「1人で判断せず、決断していきたい」
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
止まらない「オンカジドミノ退社」フジテレビ社内で話題を呼ぶ
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《まさかの“続投”表明》田久保眞紀市長の実母が語った娘の“正義感”「中国人のペンションに単身乗り込んでいって…」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン