「そこで、国民的議論の一助になるようにと、できるだけ早く国民にお言葉を届けたいとお考えになられたのではないでしょうか」(前出・宮内庁関係者)
それは陛下おひとりの気持ちではない。長い時間をかけた三者会談(天皇陛下・皇太子さま・秋篠宮さま)に続き、7月23日には、天皇皇后両陛下と皇太子さま、秋篠宮さま、そして黒田清子さん(紀宮さま)の5人で昼食会が開かれ、そのご意向を共有されたという。
「皇太子さまは当然、新天皇になることを意識されるわけですから、自らの発言が余計なハレーションを呼ばないように、事態を注意深く見守っていらっしゃると聞きます。もちろん皇太子さまが生前退位を望まれないのであれば、そもそも陛下のご意向が報道されるわけもなく、異例の中継会見の機会が検討されることもなかったでしょう。つまり、皇太子さまも静かに覚悟を決められ、陛下とお気持ちを共にされているということでしょう」(東宮職関係者)
秋篠宮さまもまた気持ちを固められていた。
「陛下の『生前退位のご意向』をスクープしたのは、NHKのベテラン皇室記者でした。彼は過去に紀子さまの悠仁さまご懐妊を報じたこともあり、秋篠宮家から信頼が厚いとされています。陛下や皇太子さまに比べて自由が利く秋篠宮さまが、ご一家のお考えをメディアに繋ぐ橋渡し役ではないかといわれています。秋篠宮さまの後ろ盾がなければ、『陛下のご意向』という報道もなかったと思われます。昼食会に参加された黒田さんは、あくまで民間人の立場から、国民の雰囲気を伝えたのではないでしょうか」(前出・皇室ジャーナリスト)
撮影■雑誌協会代表取材
※女性セブン2016年8月18・25日号