芸能

とと姉ちゃん 賛辞より批判が多いのになぜ高視聴率なのか

寄せられる批判の数々も人気の証明か

 数字を出している朝ドラとしては異例の展開といえるのかもしれない。『とと姉ちゃん』には賛否両論が渦巻く。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
 NHK朝ドラ『とと姉ちゃん』も残すところ約1カ月。今週のテーマは「常子、商品試験を始める」。市販の石けんの商品テストをし、メーカーにとって不都合な結果も含め雑誌に載せる、という展開へ。

「この手で実際に品質を確かめて伝えることが、大切だと思うのです」

 そう高らかに宣言する常子。宣言に促されて、『とと姉ちゃん』の品質も検証してみると……。

 視聴率はずっと20%以上を維持し、ついに今週は常子の恋愛話もからんでドラマ開始以来の最高平均視聴率を記録。数字を見る限り、「視聴者の関心を集め続けている人気ドラマ」と言えそうです。

 好調な視聴率の一方では、ドラマをめぐって厳しい批判の声も逆巻いています。

「当時の『暮しの手帖』をリアルタイムで読んでいた視聴者にとっては違和感だらけの内容」

「脚本家よりも『暮しの手帖』に関して知っている視聴者が多いような気がします」

「脚本家や制作陣が『世の中こんなもんじゃね?』と社会をナメきってるのがよくわかって実に腹立たしい」

「騙し合いの中で作られていた雑誌なんですね。大橋鎭子さんも儲けるためだけに作ってたんですね。長年購読してましたが、このドラマが始まってから購読をやめました」

 ネット上に見られるこうした意見の数々。ネットだけでなく例えばNHKの「視聴者対応月次報告4月号」を見ると、『とと姉ちゃん』の放送開始から4週間に寄せられた反響を分析した数字が掲載されています。

「厳しい意見が好評意見の3倍を超えました」

「4週間の反響件数を意向割合で見ると、第一週の厳しい意見は23%、第四週はその2倍を超える53%」

 以後の月次報告にこのドラマに関するデータが記載されていないため直近はよくわからないのですが、少なくとも開始1ヶ月にかなりの批判的意見が寄せられていたことはたしか。前作『あさが来た』の同時期と比較してみると「厳しい意見」17%に対して、『とと姉ちゃん』はその3倍に達する数字でした。

 高い視聴率と、ブーイングの数々。対照的に見える2つの現象は、何を意味しているのか? この「ねじれ現象」、はたしてどこから生じているのか?

関連記事

トピックス

和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン