“公の場で質問しない”“コメントしない”ということで言うと、SMAP関連で、口をつぐんでいる人が実に多いことにも驚く。
現在、SMAPと決別したような報道が多いスポーツ紙だが、長年、彼らを現場で取材してきた担当記者たちは「正直、切ない」と漏らしている。
ワイドショーに出演している各スポーツ紙のデスクや部長クラスは、恐らくSMAPには会ったこともない人たちなのではないか。少なくともこの20年ほど、現場でお目にかかった人は一人もいない。
本当ならば、彼らに取材をしてきた記者さんたちがコメントすべきだと私は思うのだが、そこにも“ルール”があるというのだろうか。
記者ではないが、解散発表後、雑誌媒体から、「SMAPにくわしい人はいないか」と聞かれて、私は何人もの知人を紹介してきたのだけれど、見事に全員がNGだった。「多くの依頼が来ているのだけれど、全てお断りしている」「自分はいま、喋るべきではない」…、それぞれ、お考えはあるのだろうが、それでは“真実”は出てこないように思うのだが。
会見に話を戻そう。
会見の現場では、カメラも「ムービーさん」(テレビカメラ)、「スチールさん」(雑誌媒体のカメラ)は区別され、カメラを構える位置や、フォトセッションの順番などが決められている。
囲み取材などでも、マイクを持って立つ各局のリポーターさんが会見者の周りを文字通り、囲むが、その立ち位置も、年功序列というルールがある。
高畑淳子の会見のように、質問者が着席している場合でも、口火をきるのは年長のリポーター。あの日も、『とくダネ!』の平野早苗リポーターから始まり、テレビ朝日の山崎寛代リポーター、長谷川まさ子リポーター、地方局に出演している島田薫リポーター、Abema TVを名乗って菊地真由子リポーターらが次々質問をした。
自分が用意していた質問が先に出てしまった場合は、もちろん別の質問に切り替えるし、他のリポーターが続々、局名や番組名を名乗って質問をすれば、「なんとか自分もここで爪跡を遺さなければ」と、前のめりになるのは仕事柄、しかたがないと思う。
だが今回も結果的に、テレビのリポーターだけが批判の対象になった。公の場で質問したり、コメントしたりする人にだけ火の粉が飛んでくる…。それが仕事だとは言え、なんだか辛いなぁ。