ライフ

閉店から2年 長崎「伝説のからあげ」復活で味は期待以上

長崎市「とり福」のからあげ

 九州・長崎に「からあげ」のイメージは定着していないかもしれない。しかし、この地には長くソウルフードとして愛されていた「伝説のからあげ」があった。

 長崎市内の風情溢れる石畳の飲み屋街・銅座町にかつてその店はあった。暖簾をくぐると、コの字の大きなカウンターと小上がりに小さなテーブルが二つ。カウンターの中の調理場ではひたすら鳥が揚げられる。

 からあげは九州らしく甘みのある味付けで、様々な部位の入った小振りな骨付きのぶつ切りだ。衣はカラッとクリスピーで、鳥肉もしっとりとジューシー。筆者は初めて食した時、その完璧な火の通し方に驚いた。

 メニューにはその他に骨付きもも肉を調理した「もも焼き」や「むね焼き」、「すなずり串」などもあるが、ほとんどの客はビールをグビグビ飲みつつ一皿二皿とひたすら揚げたてのからあげを平らげていく。

 ちゃんぽんや皿うどんのように観光客に求められるわけでもなく、親子三代にわたって地元の呑んべえ諸兄に熱く支持され続けていたこの店が、2年前に突然幕を閉じた。当然、長崎の街では大ニュースとなり、閉店日が近くなると毎日大行列ができたほどだという。その「伝説のからあげ」が、昨年8月また我々の目の前に現れた。

 かつての店と軒を連ねる一口餃子の名店「宝雲亭」の女将が一肌脱いだ。当時の店で鳥を揚げていた職人を招き、新店「とり福」として復活させたのだ。

 この度、満を持して訪ねてみた。果たして味は期待以上だった。まさにあの伝説の味。記憶は美化されるものだとしたら、これはかつての味を超えているのかもしれない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン