「結婚するまで好き嫌いがものすごくあったんですが、いつの間にかすっかりならされて今はなんでも食べますわ。でも、いちばん好きなのはマナやね」

──マナ?
「関西以外の人は、あんまり知らんかな。真菜いう小松菜みたいな野菜です。油揚げと炊いたご飯にみそ汁があれば充分。普段食べてるご飯は金芽米です」

──『世界最高米』ではないんですか。
「それはね、家内と今話しているところ。若々しく活躍するためには、食べるものにお金をかけるべきだね、って。『世界最高米』に変えると、月に4万~5万円はかかるけど、若々しく生きることを考えたら、決して高くないかもしれないねって。このお米はおいしさで注目されていますけど、おいしいというのは、お米自体に生命力があって、健康だということなんです。言葉を変えたら、精米加工する直前まで、元気ハツラツと生きていたお米なんです」

 生命力あふれるお米とは、確かにそれだけでおいしそうだ。

「私たち人間は、動物、植物どちらの命もいただいて生きていますが、おいしく食べることは彼らの元気をいただくことで、私の仕事は、元気なお米をどうやったら元気なまま食卓に届けられるかなんですね。無洗米も“エコ・グリーン”も必要に迫られて、何とかしたい、社会に貢献したいと、考えがおもむくまま開発し、自然に生きてきただけ」

 そして、最後に相変わらずひょうひょうとした声で言った。

「まだまだ私が考え、実現せないかん技術があると思うんです。こればかりは企業秘密で教えられないけど、現在も開発を手がけていることが2つ。そやから死ぬひまがないんです(笑い)」

※女性セブン2016年9月15日号

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