ライフ

子猫を里親に出す際の注意 譲渡の条件を書面に残すべき

子猫を里親に出してもその後が心配…?

 人間に癒やしを与えてくれるペットだが、子供を産んだ時に困ってしまうことも少なくない。神奈川県に住む46才のパート勤務女性から、こんなお悩みが届いた。

「愛猫が子猫を3匹産みました。里親に出したいのですが、大切にしてくれる人でないと不安で…。募集はどう出せばいいのか、また、どういう約束をしたらいいのでしょう」

 そこで、ペット法学会理事でペットに関する事件・トラブルなども取り扱う弁護士の杉村亜紀子さんが、解決策を教えてくれた。

 * * *
 里親募集には、決まりがありません。飼いたい人がいないか知人に聞いたり、動物病院などにチラシを貼らせてもらったりして、飼い主を募るのが一般的です。最近では、里親募集の専用サイトを利用するかたも多いようです。

 法律上、ペットを無料で譲ることは“贈与契約”に該当します。これは、自分の財産を無償で第三者に譲ることで、渡した後は、取り戻せません。

 万が一問題があった場合に取り戻したいと思うのであれば、贈与する際、相手方に一定の負担を負わせる“負担付贈与”契約にしましょう。この契約なら、約束が守られていないと判明したら、ペットを取り戻せます。この約束は、“大切に育てる”などの抽象的なものではなく、“生後10か月までに避妊・去勢手術を受けさせる”“完全室内飼いとする”“定期的に写真などで近況を報告する”など、できるだけ詳しく、かつ具体的な譲渡条件を設定しておかなければなりません。

 そして、譲渡条件は書面に残すことが大切。お互いに内容を確認した上で、署名・押印をして保管しましょう。書面作成は、弁護士に依頼するか、個人で作成しても問題ありません。

 トラブルを防ぐには、ペットを渡す前に相手を見極めることが何よりも大切です。

 例えば、長年里親をサポートしている民間団体では、年齢、資産、飼育環境などについて厳しい条件を定めています。飼育にあたっても遵守事項を設けるとともに、事前に面談をし、引き取る子を一定期間育ててもらった上で、最終的に里親になってもらうかどうか判断するなど、事前の審査を慎重に行っています。

 さらに、里親になった後も定期報告をさせ、様子を見に行くなどして、遵守事項を守っているか確認をしている団体も。

 厳しすぎると思うかもしれませんが、すべては不幸なペットを生まないための飼い主の務め。素敵な家族を見つけてあげてください。

※女性セブン2016年9月29日・10月6日号

関連キーワード

トピックス

初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン