ライフ

【著者に訊け】土橋章宏氏 『駄犬道中おかげ参り』

土橋章宏氏が『駄犬道中おかげ参り』を語る

【著者に訊け】土橋章宏氏/『駄犬道中おかげ参り』/小学館/1500円+税

 日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した『超高速!参勤交代』で注目され、現在公開中の続編映画も好調な、土橋章宏氏(46)。「ポップで生き生きした時代小説」を標榜する新鋭は、参勤交代や国替えに続いて江戸庶民の憧れ・お伊勢参りに着目。それが本誌連載中から好評を得た『駄犬道中おかげ参り』である。

 60年に1度のおかげ年にあたる天保元年、一匹狼の博徒〈辰五郎〉の長屋でもなけなしの金を積み立て、参拝者を籤引きで決めようとしていた。賭場の借金が元で香具師の親分〈赤布の甚右衛門〉に追われる彼はそれどころではなかったが、なぜかこういう時に限って残り籤が当たりを引くのだ。

 こうして江戸を出る口実を得た辰五郎は、奉公先をわけあって抜け出した少年〈三吉〉や、首に〈代参犬〉の札を下げた紀州犬〈翁丸〉、さらに幸薄い女〈沙夜〉と出会い、東海道~伊勢路をともに旅することになる。その姿は「親子+1匹」に見えなくもなく、笑いあり涙ありグルメありの〈疑似家族珍道中〉が幕を開ける。

「日本には弥次喜多から寅さんまで、コミカルな旅物の伝統が昔からあって、遊び人に剣術オタク等々、種々雑多な人間が描かれてきた。人情はもちろん下ネタやダジャレの類も満載で、そんな日本の元祖エンタメ的な面白さを、時代小説=渋くて重厚というイメージが強い中で再構築したかったんです。『東海道中膝栗毛』を読んでつくづく思ったんです、十返舎一九と気が合うなあって(笑い)」

関連記事

トピックス

林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
「パー子さんがいきなりドアをドンドンと…」“命からがら逃げてきた”林家ペー&パー子夫妻の隣人が明かす“緊迫の火災現場”「パー子さんはペーさんと救急車で運ばれた」
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
豊昇龍
5連勝した豊昇龍の横綱土俵入りに異変 三つ揃いの化粧まわしで太刀持ち・平戸海だけ揃っていなかった 「ゲン担ぎの世界だけにその日の結果が心配だった」と関係者
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
『あんぱん』“豪ちゃん”役の細田佳央太(写真提供/NHK)
『あんぱん』“豪ちゃん”役・細田佳央太が明かす河合優実への絶対的な信頼 「蘭子さんには前を向いて自分の幸せを第一にしてほしい。豪もきっとそう思ったはず」
週刊ポスト
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン