芸能

新ドラマでも 「大森南朋は目を細めたら悪役」の法則

目を細めると悪役?

 松山ケンイチが主演する時代劇『連続ドラマW ふたがしら2』(WOWOW)が9月17日から放送が始まり、好評だ。オノ・ナツメさんの漫画が原作で、江戸を舞台に松山演じる豪快な盗賊・弁蔵と、早乙女太一演じるクールな相棒・宗次の2人が繰り広げる物語。役者陣は、この2人以外にも演技派が揃っているが、時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんは、大森南朋、菜々緒の演技の意外な見どころについて解説する。

 * * *
 WOWOWの『連続ドラマW ふたがしら2』 が初手から飛ばしている。

 パート1では、「脅さず、殺さず、汚ねえ金を根こそぎいただく」掟を守る赤目一味の盗賊弁蔵(松山ケンイチ)と宗次(早乙女太一)が、お頭(國村隼)亡き後、一味を率いて残忍な盗みを働く甚三郎(成宮寛貴)と対決。新たに盗賊集団「壱師」を結成して、次々と大胆な盗みを成功させた。

 オノ・ナツメ原作のマンガに惚れ込み、自ら主演を希望したと言われる松山は「男がすたるだろ!」と熱血で喧嘩っ早い弁蔵を熱演。早乙女はクールで頭脳明晰な宗次をすらりと見せる。名コンビができた。

 続編では、いよいよ「俺達は江戸のてっぺんをとる!」と弁蔵が大張り切り。だが、そこに恐ろしい敵が。火付盗賊改方の蔵蔵(大森南朋)である。江戸の凶悪犯罪を取り締まる役人であるはずの蔵蔵だが、個人的なモットーは「この世はしょせん色と欲」。欲望の塊のような冷徹な男で、ふだんは町人姿で賭場などに出入りし、裏社会の人間たちの間に紛れこんでいるのだ。「目を細めた大森南朋は悪バージョン」の法則通り(勝手に私が決めた法則です)、嫌なムード全開なのに、お調子者の弁蔵は「蔵蔵とは面白れぇ」とすっかり仲良しに。

 そんな蔵蔵に白ヘビのごとくするすると甚三郎が近づく。弁蔵、そして壱師、ピンチっ!!どんどん緊迫感が増す『ふたがしら2』だが、もうひとり忘れちゃいけないのが、我らが菜々緒である。このところ、ふつうのまじめ女子の役が多く、物足りなかったファンの期待に応える堂々の悪女っぷりを見せている。

 そもそも前の赤目の頭の妻でみんなに「姐さん」と呼ばれていたおこん(菜々緒)だが、頭が存命中から甚三郎とねっとりした関係に。続編ではどうなるのかと思ったら、なんと吉原の売れっ子太夫として、堂々の花魁道中をしているじゃありませんか!

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン