お笑い番組が減っている今、芸人はトークに磨きをかけねば生き残れない。
じゃ具体的に今後、どうすればいいか? 専門的なトークをやるなら、それなりの学校に入り直しいろいろ教わらないと。民進党の蓮舫代表もクラリオンガールからキャスターを経て政治家に転進する時は、北京大学に留学している。東国原さんも早稲田に入り直して政治家を志した。それぐらいやってから、キャスターや報道をやるべき。料理芸人を名乗るなら、最低でも調理師や栄養士の免許はほしいし、経済や投資をやるならファイナンシャルプランナーの資格はほしい。面白くしゃべれるだけで、専門分野にお笑い芸人を起用するのは、安易すぎる。
だいたい、若手芸人の目標が『アメトーーク!』出演ですから。そこのひな段で、磨きに磨いたトークを、趣味とともに披露するのが夢だそうな。
そうなってくると、トーク能力自体を鍛えること前提でデビューしたほうがいい。つまり、相方に頼るコンビで出て来ちゃダメ。最初からピンのトークのみ。そこで生き残れてこそ、最高のトーク芸人になれます。
昔、明石家さんまが出て来た時は、ネタが少なくて心配したものだ。印象に残っているのは、阪神のピッチャー小林のマネだけだった。そこからお笑い怪獣にまで成長するのだから、「ピン芸人は育つ説」は、あながち嘘でない。どうせ売れたら、ピン活動でしょ? だったら最初から、ピンのほうがいい。
アメリカでは、スタンダップコメディという、ピンのしゃべりだけで人を笑わす芸が確立されている。あのウッディ・アレンも、スタンダップコメディアンから作家・映画監督にのし上がった。エディ・マーフィもそうだ。だから日本で、スタンダップコメディのジャンルを切り開いて活躍する人がいたら、すごいと思う。もちろん牧伸二みたいにウクレレ使っちゃダメで、そろばんもダメ…ってそれは、トニー谷か。あと、陣内智則みたいに効果音や役者を使っちゃ、スタンダップコメディになりませんから。そういう意味では、単身ニューヨーク行きを決めたピース綾部は偉い。頑張れ綾部! 又吉超えを目指せ!
最後に言わせてもらえば、お笑い芸人に席巻されてないトーク分野は、それはそれで人材がいたわけですよ。バイリンガルでオシャレなトークは、芸人に無理でしょ? だから安泰に見えたのが、FMやニュース番組などで活躍したショーン・K。惜しいなあ、あのキャラ。ショーン・Kさん、今度はアメリカ仕込みのスタンダップコメディをやって、ぜひトーク芸人の仕事を奪ってください。