ライフ

札幌を「奥地」と呼ぶ函館市民 強烈な対抗心とプライド持つ

道内では熱い戦いが繰り広げられている(札幌市時計台)

『週刊ポスト』の名物企画「○○ぎらい」シリーズでは、各都市の嫌われる理由を紹介し、読者から多くの反響をいただいた。これまでに横浜や神戸など様々な土地にまつわる話題を紹介してきたが、その中で浮かび上がってきたのは、近隣の人ほど敏感に反応する“近親憎悪”の激しさだ。たとえば北海道の札幌市と函館市。人口195万人の日本第5の都市で、北海道庁が置かれ、冬季五輪も開催された札幌。「函館で相手になるの?」と思う人も多いだろうが、函館市民には札幌への強烈な対抗心とプライドがある。

「祖父の病状が悪化して『札幌の病院に移ったらどうか』と医師に勧められたが、『札幌はイヤ! 東京の病院を紹介してくれ』と怒鳴っていた。祖父は『函館は札幌より東京に近い』が口癖だった」(函館市民・女性45歳)

「地元の高校で優秀な生徒は札幌にある北海道大学には行かず、東京の大学に進学する」(函館市民・男性35歳)

 こうした函館人の自負は、その歴史に由来するようだ。

「函館の歴史は550年以上。札幌はたかだか100年。函館の古い人は札幌を・奥地・と呼んでいます」

 そう語るのは、函館出身の文筆家で『函館人』(言視舎刊)の著者・中村嘉人氏である。

「室町時代に津軽の豪族・河野政通がウスケシ(函館の古名)に館を建て、その形が箱に似ていることから『箱館』と呼ばれるようになった。江戸時代に幕府の直轄地となり、箱館に奉行所が置かれ、その後、札幌の開拓も進んだんです」

 歴史的な観光スポットでいえば、函館の五稜郭に対して、札幌は赤煉瓦の北海道庁と時計台。たしかにやや函館に分がありそうにも思えるが……。

 さらに函館は全国1000市区町村の「地域ブランド調査」で3年連続で「最も魅力的な都市」に輝いている。札幌に対してライバル心を持つどころか、どこか「上から目線」なのも頷けなくはない。

 しかしこの調査では、札幌も堂々3位にランクイン。さらに昨年には、函館市民を驚愕させる事件が起きた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

出廷した水原被告(右は妻とともに住んでいたニューポートビーチの自宅)
《水原一平がついに収監》最愛の妻・Aさんが姿を消した…「両親を亡くし、家族は一平さんだけ」刑務所行きの夫を待ち受ける「囚人同士の性的嫌がらせ」
NEWSポストセブン
夫・井上康生の不倫報道から2年(左・HPより)
《柔道・井上康生の黒帯バスローブ不倫報道から2年》妻・東原亜希の選択した沈黙の「返し技」、夫は国際柔道連盟の新理事に就任の大出世
NEWSポストセブン
新潟で農業を学ことを宣言したローラ
《現地徹底取材》本名「佐藤えり」公開のローラが始めたニッポンの農業への“本気度”「黒のショートパンツをはいて、すごくスタイルが良くて」目撃した女性が証言
NEWSポストセブン
妻とは2015年に結婚した国分太一
《セクハラに該当する行為》TOKIO・国分太一、元テレビ局員の年下妻への“裏切り”「調子に乗るなと言ってくれる」存在
NEWSポストセブン
1985年春、ハワイにて。ファースト写真集撮影時
《突然の訃報に「我慢してください」》“芸能界の父”が明かした中山美穂さんの最期、「警察から帰された美穂との対面」と検死の結果
NEWSポストセブン
歴史学者の河西秀哉氏
【「愛子天皇」の誕生を希望】歴史学者・河西秀哉氏「悠仁さまに代替わりしてから議論しては手遅れだ」 皇位継承の安定を図るには“シンプルな制度”が必要
週刊ポスト
無期限の活動休止を発表した国分太一
「給料もらっているんだからさ〜」国分太一、若手スタッフが気遣った“良かれと思って”発言 副社長としては「即レス・フッ軽」で業界関係者から高評価
NEWSポストセブン
ブラジル訪問を終えられた佳子さま(時事通信フォト)
《クッキーにケーキ、ゼリー菓子を…》佳子さま、ブラジル国内線のエコノミー席に居合わせた乗客が明かした機内での様子
NEWSポストセブン
”アナウンサーらしくないアナウンサー“と評判
「笑顔でピッタリ腕を絡ませて…」元NMB48アイドルアナ・瀧山あかねと「BreakingDown」エース・細川一颯の“腕組み同棲愛”《直撃に「まさしくタイプです(笑)」》
NEWSポストセブン
グラビアのオファーも多いと言われる中川安奈アナ(本人のインスタグラムより)
《SNSで“インナーちらり笑”》元NHK中川安奈アナが森香澄の強力ライバルに あざとキャラと確かなアナウンス技術で「ポテンシャルは森香澄以上」との指摘
週刊ポスト
不倫が報じられた錦織圭、妻の観月あこ(Instagramより)
《錦織圭・モデル女性と不倫疑惑報道》反対を押し切って結婚した妻・観月あことの“最近の関係” 錦織は「産んでくれたお母さんに優しく接することを心がけましょう」発言も
NEWSポストセブン
お疲れのご様子の雅子さま(2025年、沖縄県那覇市。撮影/JMPA) 
雅子さまにささやかれる体調不安、沖縄訪問時にもお疲れの様子 愛子さまが“異変”を察知し、とっさに助け舟を出される場面も
女性セブン