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カーツさとう 前立腺がん「PSA検査」初体験記(第2回)

 鎮静剤と皮膚麻酔のおかげか、オエッとはならないが、ツバが口中にどんどん溜まってきて、かと行って胃カメラが喉にツッ込まれてるからか、飲み込むことができず、これがたまらなく苦しい!!

 これはオエオエより辛いぞ絶対!!

 ツバを飲み込めない苦しさもがくオレに看護師さんも気付いたのが、

「ツバはどんどん口から出しちゃってください!」

 というアドバイスをくれる。いわれた通り、溜まったツバはダリョンダリョンと口からとめどもなく垂れ流すようにしてみると、突然楽になる!!

 楽になると、胃カメラが少しずつ入って来るにしたがって「あ~今食道通ってる!」だったり、「あ~今、胃まで来たわ!」なんてのが感じられる。胃カメラの先端とおぼしき部分が胃の内壁に当たる感触も判る。

 オレって冷静だな……ツバをダラダラ流しながら、そんなことを思っている自分がいる。

 正味3分くらいだったろうか? 胃カメラがニュルニュルと抜かれていく感じを胃袋と食道でしっかり感じながら、胃カメラは終わった。体の左側を下にした横向きで検査は受けていたのだが、着ていたシャツの左肩部分が、ヨダレでビッチョビッチョに濡れていた。

「鎮静剤でボーッとしてるんで、回復室で少し休んでください」

 といわれ、パーテーションで3畳程度に仕切られた個室のような部屋に案内される。するとそこには一台のリクライニングチェア。

「これってサウナの休憩室にあるヤツじゃん!!」

 正確にはサウナにあるのとちょっと違うけど、いやいやほとんど同じような、レッグレスト付きのオヤジ心を刺激して止まない椅子じゃんこれ!!

 いや~近くで見るとますますサウナ!! こうなってくると、鎮静剤のボーッとした感じがサウナ上がりの快感に近いような錯覚に陥る。そして座った途端、瞬時に眠りに堕ちていた。

「うさん……さとうさん!!」

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