同じく京丹後市在住の日下部脩さんは1914(大正3)年生まれの102歳。
「魚が好きなんや。それも、昔から煮魚より焼き魚が好きやった。うどんや焼きそばも好物のひとつでな。反対に、高野豆腐のような柔らかい食べ物は嫌いやった。毎日、必ず食べているのは漬物。漬物がないと食事が締まらん。朝はパンと牛乳。毎朝、牛乳1本(200ml)飲んでるよ」
やはり魚をよく食べているが、肉の代わりに牛乳を飲んで動物性脂肪を補っているようだ。
京丹後市の海沿いに暮らす池田春雄さんは、1912(明治45)年生まれの104歳。
「父親が漁師だったので、海の食べ物が多かったんだ。ここらあたりじゃ肉は高価だったからな。海の物はタダじゃろ。父親が獲ってきた魚を煮つけにしたり、刺身にしたり。あとはワカメもよう食べた。野菜はウチの畑があるから、そこで作ったのを食べた」
同市の健康長寿福祉部健康推進課に聞くと、こんな食生活の特徴があるという。
「京丹後市は、海と山のどちらにも面しています。ご長寿の方々は、地元で獲れるアジ、イワシ、カレイ、キス、サバ、トビウオなどを幼少の頃から現在に至るまで食べていました。
海藻類も多く、板状に延ばして干した『板わかめ』がおやつだったと言う百寿者は多い。豆を植える家庭が多かったため、豆を食べる方や、和え物や酢の物にゴマを多用する方も多いです」
※週刊ポスト2016年11月18日号