国内

北方領土問題 プーチンに「決断」させた安倍官邸ペーパー

ソチ会談で流れを引き寄せた Kremlin/Sputnik/Reuters/AFLO

 なぜ今、このタイミングで、北方領土という最難関の外交問題が急展開を見せているのか。話題書『総理』(幻冬舎)で権力の内側に肉薄した元TBSワシントン支局長の山口敬之氏が、安倍政権“最深部”の動きを綴る。

 * * *
「日露首脳会談から通常国会冒頭解散」という年末年始の政局情報が、夏の参院選以降の永田町を揺らし続けている。

 外交と国内政局がここまではっきりと直接的な関係を持って語られることは極めて珍しい。その根源はもちろん、安倍官邸がロシア側から北方領土問題を巡ってこれまでにない手応えを感じている所にある。

 最大の転機となったのが今年5月にロシアの保養地ソチで行われた日露首脳会談(※注1)だ。

【※注1/第一次政権を含めると、このソチ会談で安倍・プーチン両首脳の会談は14回に及ぶ。安倍首相はプーチン大統領のことを「ウラジーミル」とファーストネームで呼ぶ。一方の安倍・オバマ会談は、今年5月の伊勢志摩サミットで8回目となる。】

 クリミア併合を巡って対露強硬路線を明確にしていたアメリカのオバマ大統領からは、日本のリーダーの訪露に強い難色が示されたが、あくまでソチでの首脳会談実現にこだわったのは安倍本人だった。

 5月6日、紆余曲折を経て実現した首脳会談の席上で、プーチンが大きな声を出した。

「この資料を作ったのは誰だ?」

 参加者は、日本側が作成した資料に目を通していたプーチンの顔色が明らかに変わっていたと証言する。それは日本側が提案した8項目の経済協力パッケージ(※注2)だ。その内容はもちろん、大きな写真に簡単なコメントをつけた12ページの資料そのものに惹きつけられているように見えたという。

【※注2/(1)健康寿命の伸長(2)快適・清潔で住みやすく、活動しやすい都市作り(3)中小企業交流・協力の抜本的拡大(4)エネルギー(5)ロシアの産業多様化・生産性向上(6)極東の産業振興・輸出基地化(7)先端技術協力(8)人的交流の抜本的拡大。】

関連記事

トピックス

吉野家が異物混入を認め謝罪した(時事通信、右は吉野家提供)
《吉野家で異物混入》黄ばんだ“謎の白い物体”が湯呑みに付着、店員からは「湯呑みを取り上げられて…」運営元は事実を認めて「現物残っておらず原因特定に至らない」「衛生管理の徹底を実施する」と回答
NEWSポストセブン
大東さんが掃除をしていた王将本社ビル前の様子(写真/時事通信フォト
《「餃子の王将」社長射殺事件の初公判》無罪主張の田中幸雄被告は「大きなシノギもなかった」「陽気な性格」というエピソードも…「“決して”犯人ではありません」今後は黙秘貫くか
NEWSポストセブン
小磯の鼻を散策された上皇ご夫妻(2025年10月。読者提供)
美智子さまの大腿骨手術を担当した医師が収賄容疑で逮捕 家のローンは返済中、子供たちは私大医学部へ進学、それでもお金に困っている様子はなく…名医の隠された素顔
女性セブン
英放送局・BBCのスポーツキャスターであるエマ・ルイーズ・ジョーンズ(Instagramより)
《英・BBCキャスターの“穴のあいた恥ずかしい服”投稿》それでも「セクハラに毅然とした態度」で確固たる地位築く
NEWSポストセブン
北朝鮮の金正恩総書記(右)の後継候補とされる娘のジュエ氏(写真/朝鮮通信=時事)
北朝鮮・金正恩氏の後継候補である娘・ジュエ氏、漢字表記「主愛」が改名されている可能性を専門家が指摘 “革命の血統”の後継者として与えられる可能性が高い文字とは
週刊ポスト
箱わなによるクマ捕獲をためらうエリアも(時事通信フォト)
「箱わなで無差別に獲るなんて、クマの命を尊重しないやり方」北海道・知床で唱えられる“クマ保護”の主張 町によって価値観の違いも【揺れる現場ルポ】
週刊ポスト
火災発生後、室内から見たリアルな状況(FBより)
《やっと授かった乳児も犠牲に…》「“家”という名の煉獄に閉じ込められた」九死に一生を得た住民が回想する、絶望の光景【香港マンション火災】
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン