1992年には、AV女優の桜樹ルイや朝岡実嶺、白石ひとみの出演する『AV女学院』も発売されるなど、わずか3年でVシネマ界は群雄割拠時代になった。
1990年代中盤には年間200本以上も製作され、Vシネマを中心に活躍して名を上げる女優も増える。『尻を撫でまわしつづけた男 痴漢日記』に主演した元ミス日本の大竹一重、『お天気お姉さん』で女優デビューした水谷ケイなどは、『Vシネの女王』と冠された。
一方で、量産されると話題性重視の作品も登場する。加山雄三一家との確執でワイドショーを騒がせた上原謙の元妻・大林雅美は1993年、井筒和幸監督の『日本の悪女? 雅美のパワー・オブ・ラブ』で男を手玉に取る悪女を演じ、波紋を呼んだ。
Vシネマ出演がのちにお宝映像となるほど大物になった芸能人もいる。浜崎あゆみは1995年、『麗霆子 レディース!! 総長最後の日』で母親の愛人にレイプされる不良少女役を熱演した。ブレイクする前の藤原紀香は1997年、『あやまり屋稼業』に出演している。
あらゆる女優が決意を持って挑み、自分をさらけ出す場所──。それがVシネマなのかもしれない。
※週刊ポスト2016年11月18日号