ビジネス

「構想力」を鍛えるにはスマホゲーム学習が有効

経営コンサルタントの大前研一氏が指南

 21世紀を生き抜いて成功し、リーダーになるためには、これまでとは異なる条件があると経営コンサルタントの大前研一氏はいう。そのうちのひとつ、「構想力」を養うための手段について、大前氏が解説する。

 * * *
 21世紀のICT(情報通信技術)時代は、傑出した個人とその会社が莫大な富と雇用を生み出し、地域、国家、世界の経済を変えていく、と本連載ではたびたび強調してきた。では、そういう時代に成功してリーダーになるための条件は何か?

 そのうちひとつの条件は「構想力」だ。20世紀は、いわば“パクリ(模倣)”が経済成長の源泉だった。日本も欧米に追いつけ追い越せで、欧米が開発した新しい技術を必死にパクることによって成長してきた。言い換えれば、欧米に“答え”があって、それに到達すればよかった。しかし、21世紀は答えのない時代だから、パクリではなく、ゼロから構想して今までとは違う新しい方向を出さねばならない。

 しかも、目に見えないデジタル新大陸の中で構想して新しい境地を開拓しなくてはいけない場合も多い。従来の延長線上で努力しても無理、ということになる。

 この構想力は、ビジネスの現場でしばしば求められる非常に重要な能力なのだが、実践的語学力やリーダーシップと同じく、文科省の学習指導要領の中にそれを鍛える教育課程はない。しかし、実は構想力は、真剣に練習を重ねれば、けっこう身につくものである。

 たとえば「ビジネス・ブレークスルー(BBT)大学」の私の授業では、学生たちの構想力を鍛えるために「大阪を世界の一流都市にするためには、どうすればよいのか?」といった課題を出したりしている。

 最初はみんな思案投げ首の体(てい)だったが、「大阪城をニューヨークのセントラルパークに見立てる」とか「中之島などの水辺をフランス・ストラスブルグのように生かす」といったヒントを与えると、「都心部に高級住宅街を造って住環境が充実した街にする」という構想が出せるようになる。

 同様の練習を「築地市場の跡地をどのように活用するか?」などの課題を与え、「21世紀の24時間都市」のようなヒントを出して訓練していけば、構想力は次第に磨かれていくのである。

関連記事

トピックス

今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・イメージ 写真はいずれも当該の店舗、販売されている味噌汁ではありません)
《「すき家」ネズミ混入味噌汁その後》「また同じようなトラブルが起きるのでは…」と現役クルーが懸念する理由 広報担当者は「売上は前年を上回る水準で推移」と回答
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン