最後に金銭的に余裕ができること。早くに結婚すると、夫側の稼ぎに頼り、教育費がバカにならず、老後に夫婦で生活に困るということも多い。50才まで双方が働いていれば、そうした心配はまずありません」(熟年結婚に詳しいフリーライターの大宮冬洋さん)
結婚・恋愛アドバイザーの松尾知枝さんも言う。
「20、30代で多くの女性が結婚に意欲を注ぐ大きな理由は、“子供を産みたい”ということ。ただ、働く女性にとっては20、30代はまだキャリア不足で、自分が思うような仕事ができない年代。40代になってようやく社会的に認められたり、責任あるポジションにつけるようになって、成果が出る。
50、60代でやっと一息ついて、残りの長い人生を、同じ趣味や人生観を持つパートナーと寄り添いたいと思う。“20代で結婚しなきゃ”“絶対に子供がほしい”という固定観念さえ捨てれば、それはとても自然な感情なのではないでしょうか」
もちろん、一度離婚を経験した後に、熟年結婚の相手を見つける女性も増えている。
「若い頃に充分な判断能力を持たずに結婚し、“こんなはずじゃなかった”と結婚生活に不満を抱くことはとても多いんです。“長い間連れ添ってきたから”といって、不満を抱えながら人生を終わるより、晩年になって素敵な恋をして、添い遂げるほうが、人生の最期の時をより幸せに過ごせるのではないでしょうか」(前出・松尾さん)
確かに60才で結婚すればその後、仕事や子育てで忙しくない自由な時間を、たとえば20年も共に過ごすことになる。アラ還こそ現代の結婚適齢期で、60才を過ぎてこそ、本当のパートナーを見つけられるということか25年連れ添った隣の夫を見ながら、ついため息がもれてしまう。
※女性セブン2016年12月8日号