国内

小池知事「五輪会場問題」で旗色悪化 都議会のドンが新爆弾

都議会のドンの反撃に耐えられるか

 小池フィーバーの陰でおとなしくしていた2人の“ドン”が、反撃の狼煙を上げた。11月29日、小池百合子・東京都知事はボート・カヌー競技用に「海の森水上競技場」(都内臨海部)を新設する妥協案を発表した。“五輪のドン”こと森喜朗・組織委会長の意向に押し切られた形だ。苦渋の表情で一部会場変更の結論先延ばしで“抵抗”する小池氏と、「まだ何をおやりになる?」と迫る森氏の姿は、“攻守逆転”の印象を世間に与えた。

 それと呼応するかのようにもう一人の“ドン”も反撃に動き出していた。その前日の28日、“都議会のドン”内田茂氏率いる都議会自民党が五輪の経費削減に関する「緊急提言」をぶち上げたのだ。

〈ここ3か月の議論をすべて否定する訳ではないが、危惧を抱かざるを得ない点があることも指摘しておきたい〉というまえがきで始まる提言は、小池氏が設置した都政改革本部調査チームが進めた会場見直し案について批判している。

 大会総費用が3兆円を超える可能性があると指摘した調査チームに対し、〈1兆円以上の水増しを行っている〉〈存在しない大きな数字を見せることによって、削減額を大きく見せようとしていると受け止めざるを得ない誇大宣伝〉と指摘。調査報告そのものを〈責任を取れない立場にある人々がまとめた、半ば思い付きであるとしか思えないような中途半端なレポート〉と切って捨てる。結論はこうだ。

〈「都民の与党」である東京都議会自由民主党としては、都知事にスタンドプレーではなくチームプレーに徹することを強く求めて、緊急提言の結びとする〉

 小池都知事の誕生以来、表向きの批判を控えていたはずの都議会がなぜいきなり方針転換したのか。内情を知る都の関係者が明かす。

「都議会には慣例として予算原案の発表後に与党の予算要望を反映する計200億円の“復活予算”というものがありましたが、25日の記者会見で小池都知事は『予算編成のあり方そのものを大きく見直す』と言って復活予算の廃止を宣言。さらに、『今後は予算を求める各種団体の要望を直接聞く』とまで言い出した。団体との折衝を力の源泉としてきた内田氏ら都議にとっては存在意義を否定されたも同然のため、“もう黙っていられない”と反撃に打って出たのです」

 小池氏と「2人のドン」のバトルは新局面を迎えている。

※週刊ポスト2016年12月16日号

関連記事

トピックス

還暦を過ぎて息子が誕生した船越英一郎
《ベビーカーで3ショットのパパ姿》船越英一郎の再婚相手・23歳年下の松下萌子が1歳の子ども授かるも「指輪も見せず結婚に沈黙貫いた事情」
NEWSポストセブン
ここ数日、X(旧Twitter)で下着ディズニー」という言葉波紋を呼んでいる
《白シャツも脱いで胸元あらわに》グラビア活動女性の「下着ディズニー」投稿が物議…オリエンタルランドが回答「個別の事象についてお答えしておりません」「公序良俗に反するような服装の場合は入園をお断り」
NEWSポストセブン
志穂美悦子さん
《事実上の別居状態》長渕剛が40歳年下美女と接近も「離婚しない」妻・志穂美悦子の“揺るぎない覚悟と肉体”「パンパンな上腕二頭筋に鋼のような腹筋」「強靭な肉体に健全な精神」 
NEWSポストセブン
「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《還暦で正社員として転職》ビッグダディがビル清掃バイトを8月末で退職、林下家5人目のコンビニ店員に転身「9月から次男と期間限定同居」のさすらい人生
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された佳子さま(2025年8月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《日帰り弾丸旅行を満喫》佳子さま、大阪・関西万博を初訪問 輪島塗の地球儀をご覧になった際には被災した職人に気遣われる場面も 
女性セブン
鷲谷は田中のメジャーでの活躍を目の当たりにして、自身もメジャー挑戦を決意した
【日米通算200勝に王手】巨人・田中将大より“一足先にメジャー挑戦”した駒大苫小牧の同級生が贈るエール「やっぱり将大はすごいです。孤高の存在です」
NEWSポストセブン
侵入したクマ
《都内を襲うクマ被害》「筋肉が凄い、犬と全然違う」駐車場で目撃した“疾走する熊の恐怖”、行政は「檻を2基設置、駆除などを視野に対応」
NEWSポストセブン
山田和利・裕貴父子
山田裕貴の父、元中日・山田和利さんが死去 元同僚が明かす「息子のことを周囲に自慢して回らなかった理由」 口数が少なく「真面目で群れない人だった」の人物評
NEWSポストセブン
8月27日早朝、谷本将志容疑者の居室で家宅捜索が行われた(右:共同通信)
《4畳半の居室に“2柱の位牌”》「300万円の自己破産を手伝った」谷本将司容疑者の勤務先社長が明かしていた“不可解な素顔”「飲みに行っても1次会で帰るタイプ」
NEWSポストセブン
国内未承認の危険ドラッグ「エトミデート」が沖縄で蔓延している(時事通信フォト/TikTokより)
《沖縄で広がる“ゾンビタバコ”》「うつろな目、手足は痙攣し、奇声を上げ…」指定薬物「エトミデート」が若者に蔓延する深刻な実態「バイ(売買)の話が不良連中に回っていた」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
【美しい!と称賛】佳子さま “3着目のドットワンピ”に絶賛の声 モード誌スタイリストが解説「セブンティーズな着こなしで、万博と皇室の“歴史”を表現されたのでは」
NEWSポストセブン
騒動から2ヶ月が経ったが…(時事通信フォト)
《正直、ショックだよ》国分太一のコンプラ違反でTOKIO解散に長瀬智也が漏らしていたリアルな“本音”
NEWSポストセブン