芸能

松平健 苦しくても、時代劇を残していってほしい

時代劇役者としての心境を語る松平健

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、松平健が、製作本数も減りスタッフの後継者不足が危惧されるなか、時代劇役者として第一線に立ち続ける心境を語った言葉からお届けする。

 * * *
 松平健は1979年、NHK大河ドラマ『草燃える』に出演している。鎌倉幕府草創期の権力闘争を描いた本作で、松平は第二代執権となる北条義時を演じた。義時は当初は好青年だったが、終盤になると政敵を陥れていく野心家に変貌する。当時の松平は『暴れん坊将軍』では庶民のヒーロー・吉宗を演じており、対極的な権力者役を同時期にこなしていたことになる。

「あの頃は東京と京都を行き来して、一週間のうち3日を東京で『草燃える』、あとの4日は京都で『暴れん坊』に出るという生活でした、全く違う男なので、面白かったですね。扮装を変えたら、自然とスイッチの切り替えはできていました。

 義時は最初『最後に天下を取る男』ということしか聞かされていませんでした。大事にしたのは目ですね。『天下を取る』というハッキリした目標に進む役なので、とにかくギラギラした目で演じました。天下を取るために邪魔者は排除していく。そういう人間を演じるには、何もないところからは出てきません。誰しもきっと持っている裏の部分といいますか、悪いところを芝居で出す時は『もし、自分ならどうするか』から考えます。

 その時に参考になったのが、勝先生の映画『不知火検校』でした。女を利用してのし上がっていく男の話で、酷い男なんですが。あの時の先生の芝居を観ながら、ああいう役の場合は欲望や自分自身の気持ちを出さないといけないと思いましたね」

関連記事

トピックス

2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《異なる形の突起物を備えた光沢感あるグローブも…》10代少女らが被害に遭った「エプスタイン事件」公開された新たな写真が示唆する“加害の痕跡”
NEWSポストセブン
「みどりの『わ』交流のつどい」に出席された秋篠宮家の次女、佳子さま(2025年12月15日、撮影/JMPA)
佳子さま、“ヘビロテ”する6万9300円ワンピース 白いジャケットからリボンをのぞかせたフェミニンな装い
NEWSポストセブン
オフシーズンを迎えた大谷翔平(時事通信フォト)
《大谷翔平がチョビ髭で肩を組んで…》撮影されたのはキッズ向け施設もある「ショッピングモール」 因縁の“リゾート別荘”があるハワイ島になぜ滞在
NEWSポストセブン
愛子さまへのオンライン署名が大きな盛り上がりを見せている背景とは(時事通信フォト)
「愛子さまを天皇に!」4万9000人がオンライン署名、急激に支持が高まっている背景 ラオス訪問での振る舞いに人気沸騰、秋篠宮家への“複雑な国民感情”も関係か
週刊ポスト
群馬県前橋市の小川晶前市長(共同通信社)
「再選させるぞ!させるぞ!させるぞ!させるぞ!」前橋市“ラブホ通い詰め”小川前市長が支援者集会に参加して涙の演説、参加者は「市長はバッチバチにやる気満々でしたよ」
NEWSポストセブン
ネットテレビ局「ABEMA」のアナウンサー・瀧山あかね(Instagramより)
〈よく見るとなにか見える…〉〈最高の丸み〉ABEMAアナ・瀧山あかねの”ぴったりニット”に絶賛の声 本人が明かす美ボディ秘訣は「2025年トレンド料理」
NEWSポストセブン
千葉大学看護学部創立50周年の式典に出席された愛子さま(2025年12月14日、撮影/JMPA)
《雅子さまの定番カラーをチョイス》愛子さま、“主役”に寄り添うネイビーとホワイトのバイカラーコーデで式典に出席 ブレードの装飾で立体感も
NEWSポストセブン
12月9日に62歳のお誕生日を迎えられた雅子さま(時事通信フォト)
《メタリックに輝く雅子さま》62歳のお誕生日で見せたペールブルーの「圧巻の装い」、シルバーの輝きが示した“調和”への希い
NEWSポストセブン
日本にも「ディープステート」が存在すると指摘する佐藤優氏
佐藤優氏が明かす日本における「ディープステート」の存在 政治家でも官僚でもなく政府の意思決定に関わる人たち、自らもその一員として「北方領土二島返還案」に関与と告白
週刊ポスト
大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン