このような取材対応時に必要な“言葉を選びながら発信する力”は、生放送の情報番組にも有効。もともとベッキーさんは、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)、『はなまるマーケット』(TBS系)、『にじいろジーン』に出演するなど、生放送に対応できる数少ない女性タレントであり、ここに好感度回復のチャンスが潜んでいる気がします。
たとえば、『バイキング』(フジテレビ系)や『ノンストップ!』(フジテレビ系)のようなグループトークがある番組ならベッキーさんの強みが生かせるのではないでしょうか。実際、10月に出演した『ワイドナショー』は生放送に近い放送形態であり、そこでの受け答えは見事でした。「逃げ場のない生放送」だからこそ、純粋なコメント力や人間性で再評価されるかもしれません。
また、言葉選びのうまさは、ロケにおけるリポーターとしての資質にも直結します。あまり知られていませんが、ベッキーさんは料理や観光スポットなどのリポートが巧みですし、トークやゲームを絡めたロケ番組も多いので、そこできっかけをつかむのもアリでしょう。
最近のベッキーさんは、ラジオ番組でぶっちゃけ話をしたり、インスタグラムにアートのような写真をアップしたり、方向性が見えないのは気がかりですが、「このまま終わるレベルのタレントではない」のは間違いありません。いまだネット上ではバッシングを受けていますが、それらをひっくり返すくらいの活躍に期待しています。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本前後のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。