そうして1990年以降、ジャニーズはさまざまな賞レースから完全に撤退する。
「決定的だったのが、1995年のMr.Childrenの受賞です。『inocent world』は200万枚以上のCD売上を記録したので、数字を見れば順当。でも、受賞した当人が会場に来ないで、関係者が賞を受け取る様子に、会場も視聴者もシラけムード。以降、受賞者は“当日、会場に出席してくれること”が、暗黙の受賞条件になりました」(芸能リポーターの二田一比古さん))
今では歌手にとってもレコ大の価値は見いだしづらくなっている。
「レコ大を獲ったからといってCDの売り上げがアップするわけでもないし。とくにここ数年はCD売上よりも、ダウンロードやライブによる収入がメインなので、メリットはますますなくなっています」(音楽業界関係者)
一部のアーティストにとっては「賞レースに参加しない」ということで“箔”をつけるという意味もある。一方で、演歌や歌謡曲の歌手にとっては、まだまだ影響力は大きいという。
「賞を獲るか獲らないかで、地方での営業や講演のギャラが違ってくるんです。カラオケ大会の指定曲になれば、CDも売れるし、カラオケ印税も入る。彼らにとっては大切な賞なんです」(前出・芸能関係者)
低迷したとはいえ、いまだに15%の視聴率を持つ音楽番組は他にそうはない。昔のようにトップ歌手たちがこぞって出演し、競い合うことを、視聴者も期待している。
※女性セブン2017年1月5・12日号