ビジネス

借金まみれ扱いの日本の国家財政は「世界一健全」と森永卓郎氏

経済アナリストの森永卓郎氏が分析

「日本は1000兆円も借金があるから増税しなければいけない」「ギリシャのように破綻する可能性がある」──新聞・テレビで何度も繰り返されてきた“警告”だ。だが、日本という国家の財務状況は「借金の額」だけを見ても判断できないはずだ。

 投資家や銀行が企業の経営状態が健全かをチェックする際には、必ず「バランスシート」を見る。傘下に多くの子会社を抱える大企業の財務体質をはかる場合、子会社を含めた連結決算の財務諸表を見なければ本当の姿はわからない。

 国の財政も同じだ。主要国は政府の財務諸表を作成する際、政府単独とは別に、政府と中央銀行の財務諸表を合算した「統合政府」のバランスシートを作成している。しかし、日本(財務省)はそれを作成していない。経済アナリストの森永卓郎氏が語る。

「信じ難いかもしれませんが、政府と日銀を含めた連結バランスシートを考えると、いまや日本の国家財政は世界一健全なんです」

 アベノミクスの開始以来、日銀は大幅な金融緩和で国債を大量に買い続け、2016年10月には日銀の国債保有残高は400兆円を超えた。

 日銀はお札を刷って、国債を買っている。つまり、日銀のバランスシートには、保有する400兆円の国債が「資産」に計上され、「負債」には市中銀行が日銀に預けている当座預金と日銀券(お札)の発行額が計上される。

 森永氏の解説を簡単に説明すると、政府と日銀のバランスシートを合算(連結)して考えると、政府が発行した900兆円近い国債のうち400兆円は「統合政府」自ら保有しているから相殺され、実質的な国債発行額は500兆円に減る。

 かわりに日銀券と銀行の当座預金の400兆円が「負債」に計上されるが、いくらでも自由に発行できる日銀券は返済の必要がなく、銀行が当座預金の引き出しを求めた場合も日銀はお札を刷って払うことができる。いずれも事実上、返済する必要がない負債だ。

 日銀が国債を買い入れたことで、国(統合政府)のバランスシート上、資産の裏付けがない借金である純債務は491兆円から91兆円に大幅に減ったのである。

関連キーワード

トピックス

松田烈被告
「スマホから『映してください』と指示の声が…」ネットで“性的暴行してくれる人を募集”した松田烈被告(28)、被害女性が語った“外道すぎる犯行”
NEWSポストセブン
ジャーナリストの溝口敦氏(左)とフリーライターの鈴木智彦氏
《溝口敦氏×鈴木智彦氏が対談》山口組抗争終結後の暴力団 勝ったはずの六代目山口組含めて勢力は縮小、トクリュウのほうが経済規模も大きく勢いがある現状
週刊ポスト
真美子さん(共同通信)が使用していたブランドとは
《ハワイ・ファミリーデートで真美子さんが持っていたプチプラバッグ》「同年代インフルエンサーのアスレジャーブランド」か?と話題に 実用性の高いトートバッグ、大谷は「娘のベビーカー担当」
NEWSポストセブン
アメリカのトランプ大統領と、ベネズエラのマドゥロ大統領(AFP=時事)
《日本への影響も》トランプ政権のベネズエラ攻撃・大統領拘束作戦 中国・ロシアの参戦リスクは 今後の「3つのシナリオ」
NEWSポストセブン
元“ぶりっ子”さとう珠緒の現在の恋愛観は……?
「事実婚じゃダメですか?」「あ、別居婚ならいいのかな」元“ぶりっ子”さとう珠緒(53)が明かす現在の“自分を大切にする恋愛観”とは 
NEWSポストセブン
核保有の是非を“議論”することすら封殺される状況に問題はないのか(時事通信フォト)
《あえて問う「核保有シミュレーション」開発費用と年数》専門家は「日本の潜在的技術能力なら核弾頭開発は可能」と分析 原潜に搭載なら「3兆~5兆円の開発費と年5000億円の維持費」
週刊ポスト
一世を風靡したビートきよしの現在とは
《意識失い2025年に2度の救急搬送》難病で体重22キロ増減のビートきよし、週3回人工透析も…“止められない塩分摂取”「やり残したことなんてない」 
NEWSポストセブン
年末、大谷夫妻はハワイで過ごしていたようだ
《お団子白コーデの真美子さんに合わせたペアルック》大谷翔平の「イジられる」魅力…ハワイではファンに妻と笑顔の対応、後輩も気を遣わない「自信と謙虚さのバランス」
NEWSポストセブン
川島なお美さんを支え続けた、夫でパティシエの鎧塚俊彦氏(2011年10月)
《また恋をしたいとは思っています》パティシエの鎧塚俊彦氏、妻・川島なお美さんを亡くして自問自答の10年「僕らの選択は正しかったのか…」
NEWSポストセブン
引退する棚橋弘至(右)と、棚橋への思いを語る武藤敬司(左)
《棚橋弘至がついに引退へ》「棚橋も俺みたいにハゲていけばよかったんだよ」武藤敬司が語ったかつての付き人に送る“はなむけの言葉”
NEWSポストセブン
餅つきに現れた司忍組長
《六代目山口組の餅つきに密着》近隣住民も驚いた「6時間の“ヨイショ”の掛け声」…高山清司相談役の登場に警察が驚愕したワケ
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」新春合併号発売! 2026年を見通すオールスター14対談ほか
「週刊ポスト」新春合併号発売! 2026年を見通すオールスター14対談ほか
NEWSポストセブン