◆皇族女子の宮家継承
一般に「女性宮家創設」といえば、新たに作るように思われますが、私は現在ある宮家を皇族なら女子も引き継ぐことができるようにしてほしいと思います。ただ、愛子内親王の場合は、父君の皇太子が即位する前であれ後であれ、宮家を立てられる必要があります。
秋篠宮家の長女・真子内親王は、父君や弟の悠仁親王に代わって秋篠宮家の当主を引き継ぎ、次女・佳子内親王は、子供のおられない常陸宮家を引き継ぐ。また三笠宮家は長女の彬子女王が、高円宮家は長女の承子女王が引き継ぐ。そうすれば、現存の宮家が何とか保持されます。
さらに長女でない瑶子女王と絢子女王は、本人のご意向で宮家を立てず、皇室を離れることもできますが、姉に代わって当家を継ぐこともありえます。
いずれにせよ、皇族女子が皇族男子と共に、原則として結婚後も皇室に留まり、皇族として活躍できる道を開くことができるようにすれば、皇室の将来が明るくなると思われます。
【PROFILE】所功(ところ・いさお)昭和16(1941)年生まれ。名古屋大学卒業。法学博士(慶應義塾大学・日本法制史)。皇學館大學助教授、文部省教科書調査官を経て京都産業大学教授。『皇室典範と女性宮家』(勉誠出版刊)など著書多数。
※SAPIO2017年2月号