国際情報

トランプが中露分断で「中国大包囲網」が完成か

トランプ新大統領の対中戦略が鍵 The New York Times/AFLO

 トランプ次期大統領の米国ならば北朝鮮との劇的な接近があり得る、と元外交官で前衆議院議員の村上政俊氏は読む。中国が北朝鮮を支えられなくなれば、北朝鮮が新たな事大の相手先として米国に急接近する可能性は高いという。

 * * *
 トランプ大統領によって“中国大包囲網”が実現した際に、北朝鮮が中国を裏切るというのが二番目のシナリオだ。「現代のツァーリ」プーチンはトランプを才能ある人物と述べたのに対し、トランプはプーチンをオバマよりも優れた指導者だと称えており、トランプが大統領に就任して真っ先に打ち出すのは米露関係のドラスティックな改善だろう。

 そもそも米国における伝統的な安全保障観ではロシアが米国にとっての最大の脅威と位置付けられており、米国の安全保障専門家からはトランプのプーチンに対する宥和姿勢にかねて疑問符が付けられていた。

 しかしそこは大実業家のトランプだ。思惑なしにプーチンに対して一方的に譲歩しようということではなかろう。

 一つの可能性として考えられるのが“中露分断”だ。プーチンと習近平がいまのところガッチリとタッグを組んでいるのは、米国主導の国際秩序を打破しようという大戦略が一致しているからだ。しかし、冷戦期には中ソ対立という東側陣営の内輪揉めの歴史があり、現在もシベリアへの中国人大量流入など、表面的には蜜月にみえる中露にも地雷は数多い。

 トランプがこれまでの米国の安全保障観を転換し、中国を最大の脅威と考えているとすれば、プーチンへの接近とその先に見据えているであろう“中露分断”が全て一本の線で結ばれる。

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン