金融会社や大手企業を名乗った偽メールを送り、そこに載っている偽サイトからID、パスワードを盗み出そうとする行為を「フィッシング詐欺」と呼ぶ。知らずに引っかからないために、まず基礎知識を得ておこう。
なぜ、身に覚えもないのにフィッシングメールが届くのか。その理由についてAll Aboutウィルス対策・セキュリティソフトガイドの齋藤実さんは次のように説明する。
「個人のメールアドレスはインターネットを使っている限り、すでに世界中に流出していると思った方がいい。あなたの知人や、ネットで買い物をしたお店が、サイバー攻撃に遭って、メールアドレスを盗まれているなんてことは、よくあることなのです」
しかもフィッシング詐欺の犯人は世界中に数多くいて、警察ですら特定しにくい。フィッシング対策協議会の山本健太郎さんはこう解説する。
「例えばメールの送信元が特定されたとしても、そこは中継地としているだけで、実際は本拠地である別の場所からメールを送っている可能性があります。足がついたとしても、指示役から現金引き出しや不正送金などの指示を受け、実行する“出し子”までで、犯罪組織の大元までには至らない。特定できたとしても、犯人の居住地が海外なら、やすやすと検挙できないのが現実です」
つまり、ネット犯罪組織から、あなたは今この瞬間も狙われていると思って間違いない。
※女性セブン2017年2月2日号