さらにドラマにはもうひとつの“三角関係”が勃発する。直親は井伊家の重臣の娘・しの(貫地谷しほり・31才)と結婚するが、
「しのが直親と直虎の特別な絆に嫉妬したり、直虎がそれに反発したり。強烈なバチバチがあります(笑い)」
と岡本さん。脚本の森下佳子さんが「掟破りにやらせていただこうかな」と語っているだけに、ドキドキの展開がありそう。戦乱の中で井伊家の男たちが次々に命を落とし、直親も今川家に誅殺され、跡を継ぐべき男性が途絶えた井伊家。この非常事態に次郎法師は尼僧から還俗し、井伊家の当主となって「直虎」を名乗る。
東京大学史料編纂所教授で、NHK『平清盛』で時代考証を担当した本郷和人さんはこう語る。
「お家存続が至上命題である時代ですから、男性ならしばしばあることでしょう。でも、出家した女性が帰って来て御家断絶を回避するというのはまさにウルトラC。そこに至るプロセスをどう描くかに私は注目しています」
今川家と徳川家という2大勢力の狭間で、直虎は懸命に井伊家と領民たちを守っていくが、前出・小日向さんは、直親の息子・虎松(後の直政)を養子とし、育て上げていく直虎の“母親力”に注目している。
「直政は自分の愛する男性と別の女性との間に生まれた子供ですが、直虎はとにかく“井伊家のために跡継ぎを育てなければ”という一心だったんでしょう。直政が後に徳川四天王になるのは、直虎による教育も大きかったはずですし、直政を家康に近づけようとしたのもすごいと思います」(小日向さん)
※女性セブン2017年2月9日号