ライフ

日本は予防後進国 背景に治療したい医療ムラの既得権

日本は「予防後進国」となっている背景は

 世界中の先進国で、「医療」は大きな転換期を迎えている。病気を患ってからの「治療」ではなく、「予防」の段階に力を注ぐ──そのほうが国民の健康寿命は延び、医療費も削減できるからだ。にもかかわらず、日本には「予防後進国」とも呼ぶべき由々しき状況がある。取材を進めると、この国の医療ムラの握る既得権の存在が浮かび上がってきた。

 そもそも、予防医療が重要とされる理由の一つは、患者の将来的な重病リスクを抑えることが、国の医療費削減につながる点にある。

 医療費が年間40兆円に達し、国家財政を大きく圧迫する日本では特にメリットが大きいはずなのに、予防のためのワクチンや検診が普及しない。その背景には「予防はカネにならない」という事実がある。医師で医療ジャーナリストの森田豊氏は保険制度に問題があると指摘する。

「現在の日本の医療制度のなかで保険点数になるのは、『治療』の項目ばかりです。一部のカウンセリングや栄養指導は保険適用ですが、基本的には医師は治療を行なって初めてお金になる。患者の健康を真に考える良心的な医師は予防医療に力を入れますが、利益を追求する医師は儲からない予防の話はしたがらない。そういう制度設計になっているのです」

 実際に、医師の受け取る「カネ」は予防と治療でどれほど違うのか。

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン