国際情報

統一朝鮮に金正恩大統領が誕生する可能性

昨年12月に行われた北朝鮮の軍事演習(朝鮮中央通信配信の映像より)

 北朝鮮による対南攻勢が勢いを増している。韓国次期大統領の有力候補である最大野党「共に民主党」前代表の文在寅氏ら対北融和派が台頭し、在韓米軍の高高度防衛ミサイル配備反対運動も勢いづいているからだ。朝鮮半島情勢に精通する拓殖大学大学院特任教授・武貞秀士氏が、その先に考えられる統一のシナリオについて解説する。

 * * * 
 その先に考えられる統一までのシナリオは2つ。

 一つは軍事的統一だ。たとえトランプ大統領による米朝協議が始まっても、北朝鮮は軍事力の精鋭化を粛々と進め、やがてワシントンやニューヨークまで届く核ミサイルを完成させるだろう。そのとき、米政権が在韓米軍の縮小・撤退を完了していれば、米国は弾道ミサイルの現実的脅威を喉元に突きつけられることになる。

 そうした状況下で、自国が核攻撃を受けるリスクを冒してまで米国は同盟国の韓国を守れるだろうか。米大統領が「NO」と言えば、北朝鮮軍はすぐに38度線を越えるだろう。

 もう一つは平和的統一だ。今後、誰が大統領になろうと、韓国の次期政権は北朝鮮との関係回復を真っ先に行うはずだ。その際、現在は停止中の南北経済交流事業が再開され、開城工業団地の操業や金剛山観光が始まるだろう。

 南北の経済交流には他にも、朝鮮半島縦断鉄道をシベリア鉄道と接続し、朝鮮半島と欧州をつなぐ壮大なプロジェクトがある。実現すれば輸送ルートや貿易の多角化で南北の交流が密接になり、韓国社会の北朝鮮への警戒心がさらに緩む。

 それらの過程で、まずは南北間でなだらかな連邦を作る“プレ統一構想”が持ち上がるだろう。1980年の労働党大会で金日成が提案したように、南北同数の代議員で連邦制議会を作り、そこで大統領を選出するやり方などが提案されるはずだ。

関連記事

トピックス

浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン