1月にスタートしたドラマ『猫忍』(ねこにん、BSフジなど)が猫好きの間で話題を呼んでいる。生き別れた父親そっくりの猫を飼い始めるイケメン忍者・陽炎太(大野拓朗)を主人公にした忍者ドラマ。その見どころについてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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2月といえばニャンニャンニャン。2月22日は「猫の日」。ここ数年の「猫ブーム」はすごいことなっている。大河ドラマ『おんな城主 直虎』でも次郎法師(柴咲コウ)の師匠南渓和尚(小林薫)が抱いた茶色の猫に目が釘付けの猫ファンも多いことと思う。そこに颯爽と(?)現れたのが「猫忍」だ。
主人公の若き忍者陽炎太(大野拓朗)は子どものころ、行方不明となった赤鼻の天才忍者の父(船越英一郎)と離れ、忍びの里で修行を積んだ身。ジャンプしただけでするっと屋根に飛び乗ったり、「ドロン」と煙とともに姿を消したり、高度な忍術もオーケーの陽炎太だが、たったひとつ大きな弱点がある。いつでもどこでも猫に気をとられてしてしまうのだ。
「猫は魔物だ」と怖い顔で忠告する師匠(麿赤児)の横で先輩忍者がニャーと猫の声マネをしただけで落ち着きがなくなり、キョロキョロする。陽炎太は父が「変化の術」で猫に姿を変えたと信じ込み、探し続けているのだった。江戸に出た陽炎太はついには「殿様の超稀少金魚を奪う」大事な任務で忍び込んだ屋敷から赤鼻猫を連れ帰り、こっそり長屋で同居を始める。キャッチフレーズは「拙者、世を忍んで猫飼ってます」である。
「変化の術、見事です」とおデブ猫を「父上」と敬い、粗相をされても「さすが猫になりきっておられる」といちいち感動する陽炎太。「ここは安全です、人間に戻って」と説得されても猫はニャーと鳴くばかり。「猫は魔物で、父は猫」と森本レオのゆるいナレーションもすんなりくる。さすが北村一輝主演で好評を博した『猫侍』のスタッフによる癒し系猫時代劇シリーズである。
注目は猫ばかりじゃない。忍びの大野がキメシーンではカッコいいのである。懐に8.5kgもある父上猫を忍ばせて道を歩き、酒を飲み、いざとなれば忍びのアクション。忍者装束もバッチリ決まって、きりりとした表情は朝ドラ『とと姉ちゃん』材木問屋の若旦那役だった大野とは別人のようである。