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高齢タクシー運転手 能力低下でも免許剥奪のルールなし

悩ましい高齢タクシードライバーの問題

 高齢ドライバーをめぐる問題は悩ましい。昨今「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と高齢者が証言する事故が相次いでいる。ただ、事故リスクがある半面、いつまでも運転し続けていたい気持ちもよく分かる。

 それがタクシードライバーとなればさらに難しい。彼らにとって生活の糧であると同時に、乗客の安全を守る重大な責務があるからだ。では実際にどれだけ高齢ドライバーは存在するのか。

 法人も個人もタクシー運転手は試験に合格し、地域毎にある国交省の指定登録機関に登録しないと営業できない。それによると、東京地区(東京タクシーセンター登録)のタクシー運転手のうち、75~79歳は「2522人」(法人1712人、個人810人)、80歳以上が「442人」(法人153人、個人289人)もいる。

 大阪地区(大阪タクシーセンター登録)は75歳以上が1416人(80歳以上を含む。法人1080人、個人336人)で、なんと個人タクシー運転手の1割以上が75歳オーバーだった。

 今年3月12日に施行される改正道路交通法では、75歳以上のドライバーが信号無視などの違反を起こした場合、「臨時認知機能検査」を受け、認知機能が低下していれば実車講習などが義務づけられる。

 それでも、医師に「認知症」と診断されない限り、高齢を理由に免許を取り上げられることはない。

 それに対して、タクシー運転手は客の命を預かるのだから、高齢になって運転能力や注意力が低下していないかのチェックがより厳しいのかと思いきや、そうでもないようなのだ。

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