同社ホームページによると、ビーフパティにはオーストラリア産牛肉100%で、つなぎなどは一切使用せず、調味料は店頭でふりかける塩コショウだけだという。ネットニュース編集者の中川淳一郎さんが指摘する。
「広告収入が目当ての日本のネットニュースメディアは、デマでも誇張でもとにかく記事にしてクリック数を稼ぐのが目的なので、“事実確認をする”という最低限のことさえやろうとしません。マクドナルドは日本のファストフード店で最も有名であり、外食産業の代表的な存在。2014年には中国産の賞味期限切れの肉を使っていた事例もあったので、デマでも信じる人が多いと考えられ、今回は狙われたのでしょう」
女性セブンの試算では今回の記事でサイト運営者が稼いだ広告収入は数万円程度。とはいえ、小遣い稼ぎにはなる。
デマ拡大に“貢献”したのが、23万人のフォロワーを持つタレントのフィフィだ。記事をツイートしたことで、火に油を注いだ。有名人が取り上げたニュースだから真実だという保証はどこにもない。
「運営者不明のネットニュースサイトは完全に信用するのは難しい。出版社や新聞社が運営するサイトの場合、デマ記事を書いたら訴えられて相応の賠償金を払わなければなりませんが、誰が運営しているかもわからないネットサイトは、問題になればサイトを閉じて逃げてしまうだけですから、責任も取りません」(中川さん)
「嘘も100回言えば真実になる」とはナチス・ドイツの宣伝大臣が遺した悪名高き言葉だが、デマ拡散が社会を危険にさらすことを、ネット時代に生きる私たちこそ強く意識しなければならない。
※女性セブン2017年2月16日号