国内

山口組と会津小鉄会 血塗られた50余年史

 友好関係を築いてきた山口組と会津小鉄会だが、平成に入ると状況は一変する。山口組が木屋町事件の手打ちを反故にして京都に侵攻、再び両者の抗争が相次いだからだ。

「当時の京都は、京都駅ビルの改築工事だけで約1000億円の予算で、総額数十兆円といわれる公共投資による市街地の開発計画もあった。それらの利権に絡みたい山口組と、利権を守ろうとする会津小鉄会とが対立した」(全国紙社会部記者)

 両者の衝突がピークを迎えたのが、平成8年の「中野太郎襲撃事件」だ。

 京都府八幡市の理髪店で、五代目山口組の中野太郎若頭補佐(中野会会長)が、四代目会津小鉄会系組員に銃撃を受け、中野若頭補佐のボディガードが相手を射殺した。

「その日のうちに会津小鉄会の最高幹部が、謝罪金を持参して山口組の宅見勝若頭のもとを訪れ、指を詰めて和解した。

 しかし頭越しに手打ちされた中野若頭補佐は納得せず、怒りの矛先を宅見若頭に向けた。平成9年、中野会の組員が神戸市内のホテルで宅見若頭を射殺したのです」(前出・伊藤氏)

 山口組内部抗争の原因をつくった形の会津小鉄会は、その後も独立性を保ちながらも山口組との関係を強めていく。

「平成17年、図越利次五代目は、六代目山口組の司忍組長の代紋違いの舎弟となった。ただし舎弟関係といっても傘下団体ではなく、会津小鉄会はあくまで独立した組織とする珍しい結びつきです。京都の利権に影響力を持つ会津小鉄会だからこそ、山口組に対しても強気を貫くことができた。

 一方、現在の山口組抗争については、宅見若頭時代からの繋がりを重視する“神戸派”と、そうではない“名古屋派”に分かれている」(前出・社会部記者)

 山口組が揺れ動く時には決まってその存在がクローズアップされるのが、会津小鉄会という団体なのだ。

※週刊ポスト2017年2月10日号

関連記事

トピックス

日本のブライダルファッションの先駆け的存在、桂由美さん
《芸能人も多数着用》桂由美さんが生前嘆いていた「ナシ婚」 ウエディングドレスで「花嫁を美しく幸せにしたい」強い思い
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
小野寺さんが1日目に行った施術は―
【スキンブースター】皮下に注射で製剤を注入する施術。顔全体と首に「ジュベルック」、ほうれい線に「リジュラン」、額・目尻・頰に「ボトックス」を注入。【高周波・レーザー治療】「レガートⅡ」「フラクショナルレーザー」というマシンによる治療でたるみやしわを改善
韓国2泊3日「プチ整形&エステ旅行」【完結編】 挑戦した54才女性は「少なくとも10才は若返ったと思います!」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン