ライフ

鎌田實医師 「遊行」を意識しもっと自由に大胆に生きる

医師の鎌田實氏

 いつもにこやかで、行動力もあり、生き生きとしている鎌田實医師だが、生きる難しさに直面しているという。1月に著書『遊行を生きる』を上梓した鎌田医師が、もっと自由に、大胆に生きる年齢の重ね方を提案する。

 * * *
 人生はおもしろいはずなのに、生きるのは難しい。どうしたら生きるのが楽しくなるのかいつも考えている。

 ぼくはいま68歳。壁にぶつかっている。傍から見ると屈託なく自由に生きているように見えるかもしれない。だが、これまでの自分は本当に自分らしく自由に生きてきたのかと悩んでいる。

 子どものころは親や周囲の大人の期待に応えて、「いい子」を演じてきたのではないか。医師になってからも、地域の人や患者さんや同僚のために「いいカマタ」を演じて、無意識のうちに自分を殺してきたのではないか。ここ数年、そんな悩みがしこりのように心の奥に生まれていた。そこに、一筋の光のように、「遊行(ゆぎょう)」という言葉が浮かんできたのだ。生きるのがぐっと楽になった。

 古代インドの聖人は、人生を4つの時期に区切った。「四住期」といわれている。

「学生期(がくしょうき)」は、生まれてきた命が学び、成長する時期のことを言う。「家住期(かじゅうき)」は人間として成熟していく時期。家族をつくったり、家をつくったり、人によっては会社を起こしたりして、いちばん汗をかくときでもある。「林住期(りんじゅうき)」は、仕事が終わった後、林に隠棲しながら、生きるとは何か、人間とは何かと思索を深める。そして、「遊行期(ゆぎょうき)」は、人生のしめくくりの時期といわれている。人によっては解脱(げだつ)、煩悩から自由になることを目標にする時期だという。

 でも、ぼくは文字通り「遊び、行く」時期だと捉えた。この時期こそ自分の好きな仕事ややりたいことをする。自分自身を先鋭化する時期である。解脱なんか考えずに、自分というエッセンスを抽出する、ナンデモアリのまさに人生の総仕上げである。

 先月、ぼくは『遊行を生きる』(清流出版)という本を上梓した。

 10年ほど前、「林住期」という言葉が流行った。今よりやや経済がよくて、社会が浮ついている時、林に入って静かに人生のことを考えてみないかというメッセージだった。でも、今の時代、そんなことを要求されているだろうか。内向きでいいのだろうか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

アワードディナーに初めて出席した真美子さん(提供:soya0801_mlb)
《鎖骨見せワンショルで“別人級”》大谷翔平の妻・真美子さん、晩餐会ファッションで見せたジャパン推しの“バランス感覚”【専門家が解説】
NEWSポストセブン
インフルエンサーのニコレッテ(20)
《南米で女性398人が誘拐・行方不明》「男たちが無理やり引きずり出し…」メキシコで人気インフルエンサー(20)が生きた状態で発見される【生々しい拉致映像が拡散】
NEWSポストセブン
公用車事故で乗客が亡くなったタクシーの運転手が取材に応じた(共同通信/hirofumiさん提供)
「公用車の運転手は血まみれ」「お客様!と叫んでも返事がなく…」9人死傷の公用車事故、生き残ったタクシー運転手が語った“恐怖の瞬間”「官僚2人がストレッチャーで運ばれていった」
NEWSポストセブン
およそ4億円を強奪した”黒ずくめ”の3人組はいったい何者なのか──(時事通信)
《上野・4億円強奪事件》「『キャー!!』と女性の悲鳴も」口元を隠した“黒ずくめ3人衆”が道路を逆走し暴走、緊迫の一部始終と事件前から目撃されていた「不審な車両」
NEWSポストセブン
女優・唐田えりか(Imaginechina/時事通信フォト)
唐田えりか(28)が「撮影中に感情移入して泣き出してしまった」背景とは…訴訟映画『恋愛裁判』の撮影現場で見せた“並々ならぬ思い
NEWSポストセブン
市川中車(右)と長男の市川團子
《大河ドラマに大抜擢》香川照之が導いた長男・市川團子と小栗旬の共演 作中では“織田信長と森蘭丸”として主従関係を演じる
週刊ポスト
(番組公式Xより)
《かつて原口あきまさが“告発”》モノマネ番組が次のステージへ “国宝”を決める新たな審査員の顔ぶれに『M-1』の影響か
NEWSポストセブン
SixTONES
《デビュー6周年》SixTONES&Snow Manの魅力を山田美保子さんが分析「メンバーそれぞれに“強み”がある」「随所で大きな花を咲かせたのはジュニア時代からの努力の賜物」
女性セブン
送検のため警視庁本部を出る佐藤伸一容疑者(右:共同)
《“色白すべすべボディ”の“ちっちゃい峰不二子”に…》「金もってこい!!」カリスマ東大教授が高額おねだりで収賄疑い…夢中になった”バニーガール風俗”の実態
NEWSポストセブン
NY晩餐会に出席した大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《大谷翔平にエスコートされて》妻・真美子さんがNY晩餐会で羽織った“シックな黒艶コート”は全サイズ売り切れ…ブランドは「場合によって再販の可能性」 
NEWSポストセブン
2025年に成年式を終えられた秋篠宮家の長男・悠仁さま
悠仁さまが30平米庶民派マンションで一人暮らし…大学生活で直面する「息苦しいまでの制約」とは? 〈過去の皇族には「部屋は警護室直通」「山荘を建てた」ケースも〉 
NEWSポストセブン
ニューヨーク晩餐会に出席した真美子さん(提供:soya0801_mlb)
《どの角度から見ても美しい》真美子さん、NY晩餐会で着用“1万6500円イヤリング” ブランドが回答した反響「直後より問い合わせが…」 
NEWSポストセブン