『嵐にしやがれ』の時間移動には、日テレ特有の編成が見て取れる。同局は『ザ!鉄腕!DASH!!』『世界の果てまでイッテQ!』『行列のできる法律相談所』といった日曜夜のラインナップでもわかるように、夜7時から9時台までバラエティー番組を放送。だが土曜夜だけ、『天才!志村どうぶつ園』、『世界一受けたい授業』のあと夜9時にドラマ枠があり、その後に『嵐にしやがれ』が放送されていた。

 そこで『嵐にしやがれ』を1時間繰り上げ、ほかの曜日と同じように切れ目なく見させる戦略をとろうとしたのだろう。またバラエティー番組が2つないしは3つ続くと、番組同士がコラボする「合体SP」も作りやすくなり、相互に良い影響をもたらす。

 代わりに夜10時にスイッチするのがドラマだ。土曜夜9時の日テレといえば40年続く伝統のドラマ枠。90年代後半以降は『家なき子』や『ごくせん』『女王の教室』『怪物くん』といった若者をターゲットにした良作を送り出してきたが、10時に移った後は、少し上の世代に向けた作品が生まれることも予想される。現在オンエア中の『スーパーサラリーマン左江内氏』は、移動のための布石、あるいは顧客分析のためのソフトなのかもしれない。
 
◆どの時間にどんな番組を見せるか、視聴者に合わせる

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