鶏モモあぶり焼き、かす汁、紅ショウガの天ぷらなど、日替わりの手作りメニュー。そして、缶詰や乾きものをつまみながら、酒を酌み交わし、日を重ね、月を重ねるうちに結ばれていった友だちの絆。
そんな彼らが愛飲しているのは、焼酎ハイボールだ。
「この酒はね、甘くないところがポイントだと思うよ。だから飲みやすい。しかも飲みごたえがある。この味にハマっちゃったよ」(30代、溶接業)
常連客が気持ちよさげに酔いながら、何年も通って客層の分析をした結果を教えてくれた。
「夜の7時を超えるとサラリーマンの客が増え出し、閉店ギリギリまでいる人には、独身者が多い。いつも朝から店は開いているから、土日は、馬券を買ってここでテレビ観戦する人もいて混んでますが、行儀の悪いやつはいないんだよね。やっぱり、こうちゃんとやすさんがいるからだと思うよ」
「最近はこういう店のことを、 “せんべろ酒場”なんて言ってるけど、冗談でしょ。この店は1000円あれば2日間、しっかり飲める(笑い)。そういう意味でも、天国みたい。こんなええ店はなくしたらあかんわ。みんなで大事にせにゃあな」との常連客の声。
それにやすさんはこう答える。
「私は23歳からここにいますからね。安心してください。この雰囲気のこんな店、なくしませんよ」