「視聴率はテレビ番組やCMがどのくらいの世帯や人々にリアルタイムで見られているかという“視聴の量”を示すもので、テレビ局、広告会社、スポンサーがCMの売買のための指標として使用しています。一方では、番組制作にも役立てていただいております。マスコミなどでよく視聴率を話題にしていただいていますが、成り立ちからいって視聴者のための指標というわけではないのです」
スポンサーからすれば、できるだけ多くの人の目にとまるように、視聴率が高い番組にCMを流したい。一方、テレビ局は番組の視聴率が高ければ高いほど儲かることになる。リサーチ評論家の藤平芳紀さんによれば、「よく年平均の視聴率が1%違うと年間の広告収入が100億円変わるといわれます」というから、テレビ局にしてみれば、人気のある番組を作ることに躍起になるわけだ。
◆1%=100万人ってホント?
ビデオリサーチは「世帯視聴率」と「個人視聴率」を調査しているが、一般に公表されているのは「世帯視聴率」の方だ。
「視聴率1%=100万人」という話を聞いたことのある人も多いだろう。これをもとに視聴率20%なら「2000万人が見た!」なんていわれ方をすることがあるが、「関東地区でいうと約1800万世帯が調査対象なので、視聴率が1%ならおよそ18万世帯が見たことになります」と藤平さん。例えば4人家族の場合、1人だけがその番組を見ていても、4人全員が見ていても、「1世帯」としてカウントする。つまり視聴率を人数に換算することはできないのだ。
※女性セブン2017年3月16日号