「どうしても利用者が週末に集中し、頻繁に利用される時間帯やエリアも決まってしまっているのが事業者にとって悩みの種だと聞きました。駅からほど近い駐車場はシェア車両を置くことで通常のパーキング車両が停められなくなってしまうことも多いそうです。
また、需要が増えるに従って深刻な問題になりそうなのが事故です。カーシェア利用者は運転する回数も少ないので、思わぬ物損事故を起こしたり、駐車に戸惑ったりするケースも多い。もちろん保険でもカバーしていますが、今後は自動運転機能のついた車両の積極導入も必要になってくるでしょう」(前出・玉木氏)
また、形を変えたカーシェアサービスの台頭によって、市場環境がガラリと変わる可能性もある。
「最近は国道の一部をステーションにした一人乗り小型モビリティーのカーシェアや、マンションの立体駐車場を使った居住者専用のカーシェアサービスの実証実験も行われています。
さらに、ネットの仲介サイトを使ってマイカーを貸し借りする“個人間カーシェアリング”なども登場しています。これら法整備や利便性などの問題から、まだこれからのサービスといえますが、今後は参入企業の顔ぶれも広がっていくでしょう」(玉木氏)
いずれにせよ、“他人のクルマを乗り回す”のが当たり前の時代がやってきそうな気配である。