破竹の勢いの小池百合子・東京都知事に死角はないのか。意外にも、小池人気を決定づけた“豊洲劇場”が最大のリスクになりかねないとの声が上がっている。発端は2月28日、築地市場の敷地の「土地利用の履歴等調査届出書」を東京都が公表したことだった。都政記者が語る。
「臨海部と都心を結ぶ環状2号線の工事にあたる都の建設局が、ルート上で工事対象になる築地の土地の歴史について調べたものです。これによると築地は戦後の10年間、進駐軍に接収された。洗濯工場が建てられ『ソンベルト』と呼ばれる有機溶剤が大量に使われたようで、『築地には土壌汚染が残っているおそれがある』と指摘しています」
この日、築地の安全性について問われた小池氏は、「築地はコンクリートなどでカバーされ、基本的に汚染の問題はない。豊洲と同じ観点で見るわけにはいかない」と答えた。
その豊洲では、高濃度の有害物質の検出を受け、再調査が行なわれている。結果は3月中に公表予定で、小池氏は結果次第で豊洲への移転白紙化も視野に入れている。だから、築地の汚染を「豊洲と同じ観点で見るわけにはいかない」のだ。
しかしこの発言に、移転を推進する都議会自民党や市場関係者から「小池氏は矛盾している」と疑問が噴出した。というのも、豊洲の建物1階の床は、35~45cmの厚いコンクリートで覆われているのである。