一般参拝スペースの2倍以上あろうか。約5m四方の、大理石がふんだんに使われた個室だった。固定の墓石に、保管庫から運ばれてきた厨子がセットされる仕組みは一般参拝所と同じだが、何しろ広くてゴージャス。優雅にチェアに腰掛け、故人に語りかけたり、あるいは本を読んだり、音楽を聴いたりもできそうだ。で、ここはおいくらですか?
「500万円です」
目が点になる。青山霊園に外墓だって買える価格だ。
「もう一室、東側に400万円の特別個室もあるんですが、そちらは完売いたしました」
すごい、の一言である。外墓より高い室内墓も、俄然人気があるのだ。いったいどんな人が室内墓を購入するのか。
「弁護士、会計士など士業、医師、大学教授、会社経営のかたがたが多いですね」
かつてなら立派な外墓を建てたであろう、そうしたお金持ちがこぞって室内墓を買っているとは。「やはりステータスじゃないですか。青山霊園にお墓を持ちたい」と心の内を語ってくれた開業医を思い出すが、「高級室内墓こそステータス」の時代がきているのか。
この日、5時間滞在したが、次から次にお参りの人、つまりお墓を購入した人がやって来ていた。見学者も絶えなかった。購入者は、新宿瑠璃光院と同じ浄土真宗、その他の宗派、無宗教の人が3分の1ずつ。30代から90代まで、年齢もさまざまで、改葬と新規に購入する人が半々だそうだ。
※女性セブン2017年3月30日・4月6日号